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インサイダー疑惑の裁判官、金融庁出向直後から不正な株取引か…TOB情報入手できる立場を悪用

読売新聞 / 2024年10月20日 5時0分

毎月複数回取引、少なくとも利益数十万円か

 金融庁に出向中の裁判官によるインサイダー取引疑惑で、裁判官が今年4月の出向直後から、上場企業に関する未公表情報を基に、毎月複数回にわたり不正な株取引を行っていた疑いのあることがわかった。証券取引等監視委員会は、裁判官が株式公開買い付け(TOB)などを審査する立場を悪用して取引を繰り返し、少なくとも数十万円の利益を上げた可能性があるとみている。

 裁判官は30歳代男性で、最高裁事務総局から同庁に出向。企画市場局企業開示課の課長補佐として知ったTOB情報などを基に、対象企業の株式を本人名義で売買していた疑いがもたれている。監視委は8月に調査を始め、今秋には金融商品取引法違反容疑で関係先の強制調査を実施。東京地検特捜部への告発を視野に調査を進めている。

 関係者によると、裁判官は4月の出向直後から、関東財務局が審査するTOBに関して不正取引を始めたとみられる。同財務局が取り扱うTOBは月10件程度あり、TOBを予定する企業は実施予定日や価格・期間といった買い付け条件などを財務局に書面で提出する。裁判官は、同財務局への指導や助言を行う立場でこれらの情報を入手していたという。

 TOBが公表されると対象企業の株価が変動することが多く、裁判官は毎月のように複数の企業について公表前に株を購入し、上昇後に売却するなどして利益を得ていたとみられる。取引は8月に監視委から調査を受けるまで続いた。調査を受け、裁判官は企業開示課の業務から外れ、現在は同庁総合政策局付となっているという。

 同庁は19日、「裁判所から出向している職員が調査を受けていることは承知しており、調査には全面的に協力する。調査結果を踏まえ、厳正に対処する」としている。

 最高裁の徳岡治・人事局長は19日、「裁判官であった者が、金融庁への出向中にインサイダー取引の疑いで調査を受けていることは遺憾だ」とのコメントを出した。最高裁は、主に任官10年未満の若手を対象に中央省庁などへの出向を行っており、出向中は裁判官の身分をいったん離れ、裁判所に戻る際に改めて任官している。

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