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被災地の選挙、投票所減・投票時間短縮・街頭演説減らす配慮…有権者「この時期に選挙かとの思いはある」

読売新聞 / 2024年10月20日 21時26分

仮設住宅の集会所に、期日前投票所を設置する市職員ら(20日、石川県輪島市で)

 能登半島地震と大雨を受け、石川県の奥能登地域では衆院選の投票所が減り、投票時間繰り上げなどの影響が出ている。ポスター掲示板の数は減り、陣営の活動も抑え気味で候補者に接する機会は減少。有権者からは「復興を担う候補を選びたいが、1票を投じるのも大変だ」との声が上がる。(金沢支局 秋野誠、輪島支局 福原悠介)

 地震の応急仮設住宅が並ぶ同県輪島市の町野町第2団地内の集会所に20日、市職員2人が「投票箱」を持ち込み、約2時間かけて期日前投票所を設置した。

 団地周辺では道路も被災し、公共交通機関の運行も減ったため、移動手段のない住民が少なくない。投票の受け付けは21、22日の2日間で、無職の女性(85)は「近いところで投票できてありがたい。徒歩だと他の場所にはとても行けない」と歓迎した。

 地震と大雨の被害が特に大きかった輪島、珠洲両市では施設が被災するなどしたため、投票所は輪島市で前回の20か所から18か所に、珠洲市で19か所から10か所に集約された。道路に亀裂や土砂が残り、暗くなってから有権者や職員が移動するのは危険だとして、投票時間も短縮。珠洲市大谷地区では午前9時~午後4時と、6時間短くなる。加えて、両市が過去の選挙で、バスなどを活用して実施していた「移動期日前投票所」も悪路のために取りやめた。

 輪島市内の仮設住宅が大雨で床上浸水し、七尾市内の民宿に2次避難中の男性(67)は所用で地元に戻った際に、期日前投票した。「往復3時間運転する時間もガソリンも惜しいし、不在者投票の手続きも面倒だ。地元に用がなければ投票しなかったと思う」と語った。

 一方、候補者の政策や主張を伝える選挙ポスターの掲示板も設置場所の所有者と連絡が取れないことなどから、輪島市で前回の159か所から60か所に、珠洲市もほぼ半分の74か所に減った。

 被災地を含む石川3区では3人が舌戦を展開する。ある陣営は、被災者の生活や復旧作業の妨げとならないよう、街頭演説の回数を減らし、選挙カーの音量を絞るなど配慮する。別の陣営では、支援者から被災地での活動に反対する意見も出たという。

 輪島市内の仮設住宅を訪れた候補者の話を聞いた女性(66)は「この時期に選挙をすべきかとの思いはあるが、被災地に来るのなら、候補者には将来の見通しが明るくなるような政策を示してほしい」と話していた。

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