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「もったいないは、けちとは違う」……国内外170万部超えの絵本シリーズの著者は語る 真珠まりこさん

読売新聞 / 2024年10月28日 15時20分

感謝と愛情 込められた言葉

 ごはんを残したり、水を出しっぱなしにしたりしていると「もったいなーい」とやってくる「もったいないばあさん」が主人公の絵本が刊行されてから、今年で20周年になる。きっかけは、一人息子が4歳のときの出来事だ。食事を残す姿に「もったいない」と注意したところ、「もったいないって、どういう意味?」と聞かれたという。現在、中国語やヒンディー語などにも翻訳され、累計部数は国内外で170万部を超す。

 大阪と米国で絵本作りを学び、息子が生まれた年にデビュー。その息子ももう20代半ばになる。当初は絵本を読んだ子から「もったいないばあさんって、ケチんぼうだね」と言われ、反論できなかったことがある。「もったいない」とはどういうことか。考えながら描き続けるうちに気づいた。

 「ケチは、自分だけのものにしたいという執着。でも、『もったいない』は自然の恵みやいただく命、作ってくれた人への感謝であり、愛情が込められている。そして、命の大切さを伝える言葉だと思うんです」

 過酷な環境で暮らす世界の子どもたちや絶滅危機にある動物を紹介する「もったいないばあさんのワールドレポート展」も、2008年から各地で開催する。

 今年3月刊行の最新作『もったいないばあさんのおばあちゃん』では、米作りに関わるすべてのものに感謝し、米一粒も無駄にせず食べ、稲わらで草履やかごを編むおばあちゃんと育ったもったいないばあさんの子ども時代が描かれる。原画展を、24日から11月10日まで、東京都港区の大垣書店麻布台ヒルズ店で開く。

 最近、「『もったいないばあさん』を読んで育ちました」という若い人に出会う機会が増えたという。「絵本で心に伝わっていくこともあると思う。一粒一粒、ありがたくてもったいないのはなぜか。日本中の子どもたちに読んでほしい」と力を込めた。(講談社、1650円)金巻有美

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