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ひで子さん「もう運命だと思っていて今更警察に苦情を言うつもりはありません」…袴田巌さんに謝罪の静岡県警本部長に

読売新聞 / 2024年10月21日 23時2分

袴田巌さん(右から2人目)と姉ひで子さん(右)に、謝罪する静岡県警の津田隆好本部長(左)(21日、浜松市で)=須藤菜々子撮影

 1966年の静岡県一家4人殺害事件で、袴田巌さん(88)の再審無罪が確定したことを受け、同県警の津田隆好本部長は21日、浜松市の袴田さん方を訪れ、袴田さんと姉のひで子さん(91)に謝罪した。

 津田本部長は「逮捕から無罪確定までの58年間の長きにわたり、言葉では言い尽くせないほどのご心労、ご負担をおかけし申し訳ありませんでした」と謝った。

 ひで子さんは「もう運命だと私も巌も思っていて、今更警察に苦情を言うつもりはありません」と話した。津田本部長はひで子さんや袴田さんの話を頭を下げて聞いていた。

 ひで子さんは報道陣に「巌が死刑囚だったことを忘れるため、踏ん切りをつけたいとお迎えした。誠心誠意、謝っていただいたと思っている」と話した。

 無罪を言い渡した静岡地裁判決は、強盗殺人罪などに問われた袴田さんを有罪とする根拠とした、血痕がついた「5点の衣類」などの証拠を「捜査機関による捏造ねつぞう」と断定した。

 津田本部長は取材に、当時の取り調べについて「強制的、威圧的な取り調べがあったということで誠に申し訳ないと思っている」と述べた。

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