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中越地震きっかけ、土木解体業の男性が重機駆使「技術系ボランティア」…能登の被災地にも20回

読売新聞 / 2024年10月23日 9時0分

重機を使って倉庫に入り込んだ土砂を取り除く新保さん(13日、石川県輪島市で)

 最大震度7を記録し、68人が犠牲となった新潟県中越地震の発生から23日で20年となる。地震をきっかけに、重機などを扱う技術系のボランティアの連携や育成が進み、各地の災害現場で力を発揮してきた。元日の地震と9月の記録的大雨に見舞われた能登半島でも、復旧活動や被災者の生活再建を支えている。(長岡支局 甲斐史子)

 今月13日、石川県輪島市にある民家の倉庫で、新潟県小千谷市の新保純一さん(65)が小型の重機を扱い、泥をかき出していた。

 土木解体会社を営む新保さんは、技術系ボランティア団体のネットワーク「DRT JAPAN」のメンバーだ。この日は各地から集まった仲間約10人と手分けし、大雨で高さ1メートル近くまでたまった泥を片付けると、住民の女性(70)は「本当に早い。ありがたい」と感謝していた。

 DRTの連携は、2004年の中越地震がきっかけだ。新保さんは仕事で、壊れた住宅の解体撤去に追われていた。県外から訪れた災害支援団体の関係者らがボランティアで活動する姿に刺激を受け、親交を持つようになった。

 07年3月に能登半島で震度6強の地震が起きると、新保さんは重機を持ち込み、従業員や同業者とともに、支援団体の復旧活動に加わった。関係者からかけられた「ボランティアが重機技術を持つと、復興が早くなる」との言葉が心に響いていた。同年7月には、新潟県長岡市の山古志地区でボランティア向けの技能講習会を初めて開催。自身は重機の扱い方を指導した。

 講習会はその後、各地で開かれ、参加者らは「DRT」のメンバーとして連携している。現在約40団体が参加し、今年1月の能登半島地震では100人以上が支援活動に携わった。新保さんも発生翌日に現地入りし、道路を塞ぐ倒壊家屋や倒木の除去などを行った。これまでに1、2日程度の短期ボランティアで20回ほど被災地入りしたという。

 近年は消防士向けの講習も開き、新潟県内の消防士は腕を磨きに、新保さんの会社を訪れる。新保さんは「被災地支援に欠かせない存在と認識されるようになった」と自負している。

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