北朝鮮軍のロシア派遣、アメリカ政府も確認…国防長官「戦争に参加するなら非常に深刻な問題だ」

　米国のオースティン国防長官は２３日、訪問先のローマで記者団に対し、露軍への北朝鮮部隊派遣について「ロシアに北朝鮮軍がいるという証拠がある」と明言した。米政府はこれまで独自の分析が必要だとしてきたが、初めて公式に派遣を認めた。

　オースティン氏は「北朝鮮軍が具体的に何をしているのかは、まだわからない。我々には解明する必要がある」と述べ、動きを注視する考えを示した。その上で「意図がロシアの代理として戦争に参加することであれば、非常に深刻な問題だ。欧州だけでなくインド太平洋地域にも影響を及ぼすだろう」と警告した。

　英国のジョン・ヒーリー国防相も２２日の英下院で、北朝鮮がロシアに数百人規模の戦闘部隊の派遣を始めた可能性が高いと述べた。露朝の軍事協力が進んでいることから、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）や先進７か国（Ｇ７）の結束した対応が必要だと強調した。

　ウクライナ国防省の情報機関「情報総局」のキリロ・ブダノフ局長は２２日、北朝鮮が露軍に派遣する部隊の第１陣が２３日に露西部クルスク州に到着するとの見通しを示した。軍事オンラインメディア「ザ・ウォー・ゾーン」が報じた。

　クルスク州ではウクライナ軍が８月から越境攻撃を行っている。露軍は戦闘経験の少ない兵士らをクルスク州の防衛に充てており、戦力不足が指摘されている。