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近未来のテクノロジー続々 空飛ぶクルマ、スマートコンタクトレンズ【ドバイ・GITEXリポート】

J-CASTニュース / 2024年10月23日 17時0分

近未来のテクノロジー続々 空飛ぶクルマ、スマートコンタクトレンズ【ドバイ・GITEXリポート】

「未来のモビリティー」コンセプトモデルの展示

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで2024年10月13~17日に開催された「GITEX GLOBAL」。世界各国から最新テクノロジーを集めた巨大見本市となった。

市中心部にあるドバイ世界貿易センターに、28ものホールで出展企業のブースや、特設ステージが設けられた。スタートアップからグローバル企業まで、近未来を感じさせる数々の発表のなかから、一部を紹介しよう。

ファーウェイは大きな展示スペース占める

地元UAEの通信会社「e&(イーアンド)」が展示したのは、「空飛ぶモビリティー」だ。小型ヘリコプターのような形状や、プロペラ2台が横並びに取り付けられて上下移動できそうな「1人用の乗り物」が目に入る。担当者に話を聞くと、いずれもコンセプトモデルで、再生エネルギーで動かす想定だという。道路の渋滞時に、効果を発揮するのではないかと話した。

記者も体験したが、ドバイ中心部は車の渋滞が激しい。夕方から夜にかけては、乗車中に全く動かないときもあった。市内では鉄道2路線が走るが、将来こうした「空路」の選択肢が増えれば、渋滞緩和に寄与しそうだ。

同じ展示場所にもう1台、自動車の上部にプロペラを備えた「空飛ぶクルマ」が。これは中国XPENG AEROHT社のもの。注目度は高く、会場にはUAEの王族が視察に訪れていた。

e&の隣は、中国通信大手ファーウェイが大きなスペースを占めていた。掲げていたのは「産業のデジタル化・インテリジェンスの加速」だ。同社のソリューションや製品を、商業市場でのデジタル化推進につなげている例を紹介するブースを見学した。

説明によると、中国国内の病院や学校、公共施設、スーパーマーケットなどで、ファーウェイのソリューションが活用されている。同社の資料によれば、ある医療機関では以前、社内ネットワーク用の小型装置やスイッチなどが数多く、それも不規則に設置されて、トラブル発生時には問題解明の妨げになっていた。同社の統合システムを取り入れることで、こうした課題を解決しているという。

通信スピードもアップ。CTスキャンのような大型サイズの画像伝送時間を、各段に短縮する。こうした改善は、消費電力の低減にもつながっている。

「グランツーリスモ」AIで進化

スタートアップでも、興味深い展示があった。UAEのディープテック企業・XPANCEOの「スマートコンタクトレンズ」だ。ブースの担当者は、「今日のスマートフォン機能が、コンタクトレンズに集約されるようなイメージ」だと話す。

一般的なコンタクトレンズと同じように装着し、「視線」で各種操作を行うのだ。取材時は完成品の代わりに、視力検査で使うような両目でのぞき見る装置を使って「スマートコンタクトレンズ」の想定仕様を説明してくれた。

視界に緑色のコマンドパネルが表示され、それでコントロールするのだという。将来は外を歩きながら、例えば看板や広告に組み込まれたデジタル情報をコンタクトレンズが読み込み、視界に入って来るようなイメージとのこと。

日本企業も、存在感を示した。AI(人工知能)をテーマにした展示場の特設ステージに登壇した一人が、ソニーAI社長・ミカエル・シュプランガー氏だ。

「ソニーAIのミッションは、AIを活用して、想像力と創造力を解き放つことです」

こう話してから紹介したのが、「グランツーリスモ・ソフィー(Sophy)」だ。

プレイステーションで遊べるカーレースゲーム「グランツーリスモ(GT)」。1997年の誕生から、最新シリーズ「GT 7」まで出ているロングセラーのヒット商品だ。公式サイトによると「ソフィー」は、「深深層強化学習を通じて、世界トップレベルのGTドライバーと競い合うために必要な」コントロール、レーシングスキル、レーシングエチケットを習得した。ソフィーは、「レーシングAIエージェント」と位置付けられている。

異なる車種やコースで何度も試験を経たうえで、GTの「トップドライバー」と2度、レースを行った。シュプランガー氏は、「1回目はソフィーが敗れましたが、その数か月後に実施した2回目には勝利したのです」と明かした。

2023年11月、「ソフィー」がGT7に実装された。現在もアップデートを続けており、「202X年」にはGT以外のゲームでも「次の段階のブレークスルー」を起こすという。

「GITEX GLOBAL」は10月17日、幕を閉じた。この熱が来春、アジアにも来る。2025年4月23~25日、「GITEX ASIA」がシンガポールで開かれるのだ。日進月歩で進むテクノロジーが半年後、どのような姿になっているだろうか。

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