「iPhone」は若い女性と「LINEMO」、「Android」はおじさんと「楽天モバイル」に多いのはなぜ? シェアは五分五分だが
J-CASTニュース / 2024年10月24日 17時17分
iPhoneとAndroid、どっちを使っている?(写真はイメージ)
「iPhone」と「Android」、あなたはスマホのOSにどちらを使っているだろうか。
モバイル専門の市場調査を行うMMD研究所(運営元はMMDLabo、東京都港区)が2024年10月17日に発表した「2024年9月スマートフォンOS端末シェア調査」によると、五分と五分のシェアを分け合っている。
しかも、若い女性にiPhone、年配男性にAndroidが多い一方、通信ブランドでは「LINEMO」にiPhone、「楽天モバイル(MNO)」にAndroidが多いなど、両派対決の意外な構図が明らかになった。調査担当者に聞くと――。
iPhoneは10~20代、Androidは50~60代に圧倒的な支持
MMD研究所の調査(2024年9月13日~24日)は、スマホを所有している18歳~69歳の男女4万人が対象。
まず、メイン利用しているスマホの機種を把握している3万4868人にOSを聞くと、iPhoneが49.6%、Androidが50.1%と半数ずつに拮抗している。
これを性年代別にみたのが【図表1】だ。iPhoneは10代、20代の利用率が高く、特に女性では8割を超える。一方、Androidは50代、60代の利用率が高く、6割に達する。特に男性に多い傾向が顕著だ。
通信サービス別に比較したのが、【図表2】だ。iPhoneはオンライン専用プランが最も多く61.8%、次いでキャリアサブブランドが54.3%となった。AndroidはMVNO(いわゆる格安スマホ)が最も多く63.1%となった。
【図表3】が大手4キャリアのブランド別で比較した調査だ。iPhone利用率は「LINEMO」(ソフトバンク)が最も多く65.5%、次いで「SoftBank」64.6%、「ahamo」(NTTドコモ)62.65%と続く。一方、Androidは「楽天モバイル(MNO)」が最も多く62.3%となった。次いで「docomo」56.5%、「au」(KDDI)47.1%と続いた。
現在メイン利用している端末のシリーズの人気が高いのはどれか。iPhoneユーザーは「iPhone SE」「iPhone 13」「iPhone 14」が上位に並んだ。Androidユーザーでは「AQUOS」がダントツの1位で、次いで「Xperia」「Galaxy」「Google Pixel」が続いた【図表4】。
若い女性はブランドでiPhone、目の肥えた年配男性は機能性でAndroid
J‐CASTニュースBiz編集部は、MMD研究所の調査担当者に話を聞いた。
――iPhone派とAndroid派、五分五分の結果が出ましたが、若い世代ほどiPhoneが多く、しかも10~20代女性のほとんどがiPhoneです。なぜ、若い女性にiPhoneが人気なのでしょうか。
調査担当者 若年層にiPhoneが人気な理由としては、周りにiPhone利用者が多く、iPhoneのほうが写真の共有をはじめ、同じアプリや操作で使用しやすいことや、Appleのブランド力の高さが挙げられます。
特に、若い女性はスマホを通してSNSで周囲とつながる場面が多く、周りがみんなiPhoneだからiPhoneにするという人も多いと考えられます。また、iPhoneのほうがケースなどアクセサリーの種類が豊富であることも人気の要因であると思います。
――一方、Androidは年配者に、それも男性が多い傾向がはっきり出ていますね。
よく「iPhoneはブランドで買う。しかし、Androidは多くのメーカーがしのぎをけずり、多様性があるため、操作性などさまざまな機能面で買う。だから、スマホに目の肥えた男性や年配者が多い」と言われますが、こうした見方についてはどう思いますか。
調査担当者 ご指摘のように、スマホ端末のようなガジェットに対してリテラシーが高いのは男性が多いです。また、年齢が上がるにつれ、周りが使っているとか、ブランドや見た目がよいというような理由ではなく、機能性や価格で端末を選ぶようになる方が多いと考えられます。
「LINEMO」は若い層向けだからiPhone、「楽天モバイル」はコスパからandroidに
――【図表2】の通信サービス別比較を見ると、大手3キャリアのオンライン専用プランにiPhoneが多い一方、格安スマホにandroidが多い傾向がはっきり出ています。これはどういう理由ですか。
調査担当者 通信サービス契約の際、端末とセットで販売することが一般的ですが、格安スマホはiPhoneのセット販売ができる会社が少ない状況にあります。これは、Appleとの契約で一定数以上の販売量を求められるためです。
また、格安スマホ利用者はモバイル関連のリテラシーが高く、かつ料金の安さを重視する人が多いため、多様な端末があり価格もiPhoneに比べ比較的安いAndroidを選ぶ傾向にあります。
反対に大手3キャリアは、iPhoneでも端末セット契約が主流なため、格安スマホと比較して割合が高いと考えられます。
――なるほど。【図表3】の大手通信キャリアのブランド別の比較が今回調査の注目点ですが、「LINEMO」「SoftBank」「ahamo」にiPhone派が多く、「楽天モバイル(MNO)」と「docomo」にandroid派が多いのはなぜでしょうか。
調査担当者 「LINEMO」は若年層の利用率が高い傾向にあり、最初に述べたように、若年層のiPhone利用率の高さからトップになったと考えられます。もともとソフトバンクは、iPhone日本上陸の際にいち早く販売をスタートし、その後も引き続きiPhoneの端末販売に力を入れています。
「ahamo」はオンライン専用プランとして開始されているため、若い世代向けサービスとしてLINEMOと同じようにiPhone率が高くなる傾向にあると思います。
一方、「楽天モバイル(MNO)」にandroidが多いのは、大手通信キャリアの中でも特にコストパフォーマンスを重視するユーザーに支持されるブランドだからです。端末もより安いAndroidを選ぶ傾向にあります。「docomo」や「au」は、ほかの大手キャリアブランドと比較して、年齢層が高いためAndroidが多いのではないかと考えられます。
ブランド別で見るとわかるiPhoneとAndroidの違い
――今回の調査で特に強調しておきたいことがありますか。
調査担当者 今回初めて大手通信キャリアのブランド別という軸でも見ていくことで、さらにiPhoneとAndroidのユーザー層の違いや傾向が詳細にわかるようになったと思います。
今後、各社の料金プラン戦略や端末の販売形式に変化が出てくると、OSシェアにも影響が出てくることが予想されるため注目していきたいです。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)
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