「離着陸支援」「荷物運搬」などの空港地上業務、国が監督へ…過密化・人手不足で事故対策が課題に
読売新聞 / 2024年10月25日 5時0分
国土交通省が、空港で航空機の離着陸支援や荷物運搬などを行う地上業務「グランドハンドリング」について、監督体制の強化に乗り出すことがわかった。近年、業務車両が関わる事故が多発していることから、現在はできない国が直接監督する仕組みを導入し、事故防止につなげる。
29日にも有識者らで作る検討会を設置し、具体策作りを急ぐ。地上業務事業者の業務体制をチェックしたり、事故時には国交省が指導したりできる体制を検討する。来年の通常国会での法改正も視野に入れる。
現在、事業者は空港管理者から承認を受けた上で、航空会社からの発注を受けて地上業務を行っている。国が事業者の日常業務を監督できる仕組みがなく、航空会社を通じて実態把握に努めているのが実情だ。特に、外国航空会社の地上業務のみを担う事業者とは連携が不十分とされる。
背景にあるのが、空港の制限区域内で発生した事故の急増だ。国交省によると、2023年度(速報値)は56件で、前年度の27件から2倍超に上った。政府は、訪日客数を現在の2倍近い年6000万人にする目標を掲げている。空港の過密化がさらに進めば、事故リスクが高まる恐れがある。
一方、事故急増の原因として、コロナ禍で進んだ人手不足を指摘する声もある。事業者に安全管理者の設置義務を課す案もあるが、管理が厳しすぎると、人手不足を助長する懸念もある。国交省には、現場に過度な負担とならないよう配慮しつつ、安全性の向上につながる方策が求められている。
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