今のAKB48見せるために「先頭に立っていきたい」 水着カットにも初挑戦、「正統派」山内瑞葵が目指す「新境地」
J-CASTニュース / 2024年10月26日 8時0分
「好きになる予感」(KADOKAWA)を出版したAKB48の山内瑞葵さん。水着撮影は「一生縁のないもの」だと思っていたという
AKB48の山内瑞葵(みずき)さん(23)が初の写真集「好きになる予感」(KADOKAWA)を2024年10月11日に出版した。10月23日には重版も発表されている。
山内さんは、グループのシングル表題曲のセンターポジションに立ったこともある中心メンバーのひとりで、「正統派」「王道」のアイドルだと受け止める人も多い。その山内さんが、初水着やランジェリー、黒ガーターなど刺激的なカットにも挑戦。ファンの間では驚きの声が広がった。新たな挑戦を通じて活躍の場を広げる山内さんは、今のグループを広く知ってもらうために「先頭に立っていきたい」と、改めてセンターへの意欲を見せていた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)
ファンクラブイベントで「写真集出さないの?」の声
―― 「正統派」「透明感がすごい」みたいなこと、飽きるほど言われるでしょう?
山内: そうですね......なのかな?いやいや、全然そんなことないですよ?(笑)
―― 少なくともファンの皆さんはそういうイメージを持っているので、写真集発売を聞いて驚いた人も多かったようです。山内さんにとって写真集は念願だったのですか。
山内: AKB48にいるうちに、かなえたい夢のひとつでした。ただ、写真集となると水着やランジェリーがあると思うのですが、これまでグラビアを全くやってこなかったので、「本当に私にできるのかな」「やるとしても、どういうタイミングがいいんだろう」という思いがありました。でも、2024年に入ってから、ファンクラブイベントで「写真集出さないの?」といった声をいただき、自分でも意識するようになりました。そんな中でKADOKAWAさんからお声がけいただきました。
―― そういう声が「大人」に届いて実現した、という感じですね。
山内: そうなんですかね~?
KADOKAWA編集者: 僕は、山内さんが舞台「フラガール-dance for smile-」に出演した4年ぐらい前から出したいと思ってました。(笑)
山内: このタイミングで実現できて本当に良かったです。
―― 撮影は、タイ・プーケットで行われたと聞きました。どういった経緯ですか。
KADOKAWA編集者: KADOKAWAが「ずっきー(編注:山内さんのニックネーム)に似合う」と決めました。AKB48メンバーでは、プーケットで写真集の撮影をしたメンバーは誰もいませんでしたので......。
山内: 選んでいただきました。うれしいですね、初めてなので。
―― 一番の繁華街として知られるパトンビーチや、ポルトガル様式の建築物でノスタルジックな雰囲気が漂うオールドタウンで撮影したと聞きました。
山内: 町並みがきれいだったので、赤い衣装で外を歩いて撮った写真がカラフルに仕上がりました。プールでも撮影しましたが、水もめちゃくちゃきれいで、青色が映える写真になりました。ホテルは2か所お借りして、お部屋やベランダで撮ったりしました。
―― 山内さんが「お布団に包まる」「彼シャツ系」「彼女感」「ビタミン元気いっぱい」「食べ歩き」「夏ワンピ」「チュールドレス」「バチバチ系韓国アイドル風キラキラ」「泡風呂」といった撮影テーマを12個も提案して、それに合わせて衣装を選んだそうですね。
山内: やはり初めてなので、王道なテーマも入れつつ、自分にしかできないようなカットも入れたいと考えていました。一番珍しいのが「バチバチ系韓国アイドル風キラキラ」ですね!これを提案したところ、スタイリストさんがジャラジャラのアクセサリーをつけてくださったり、メイクも濃くしてくださったり......。洋服の「キラキラ」の部分も、衣装さんが手作りでつけてくださいました。すごく愛のこもった衣装です。
―― お気に入りのカットとして「おひげ」の写真を挙げていました。
山内: 撮影している中で、おふざけっぽくして、自分でちょっと髪の毛をひげ風にして、楽しく自然体に笑っている姿を撮影していただいたので、入れてみました。
―― 拝見していると、笑顔が非常に多い写真集だという印象です。そういったコンセプト、狙いはあったのでしょうか。
山内: はい、写真集出版が決まった時から、笑顔は多めがいいなと決めていました。ファンの方が、私の笑顔をきっかけに好きになったと言ってくださったり、笑顔をとにかく褒めていただくことが多くて......。写真集にしては珍しいですが、笑顔のカットをたくさん詰めてもらいました。
―― タイトルは「好きになる予感」ですね。笑顔を好きになってしまう......、という文脈なのでしょうか。総合プロデューサーの秋元康氏が決めたと聞きましたが、どうでしょうか。
山内: 秋元先生が送ってくださったタイトルで、いくつか候補がありました。どれも「好き」というワードが結構多く入っていて、すごく迷いました。「好きになる予感」の「予感」という、今後を思わせるような言葉がファースト写真集にぴったりだと思いました。それと、今はファンではない方でも、この写真集を見ていただいて完全に好きになってもらいたいな......といった、いろいろな思いを込めました。
水着撮影で緊張は「正直、しませんでした」
―― 最初にも話題が出ましたが、水着やランジェリーに初挑戦でした。「王道」「正統派」といわれる中で、ファンの皆さんからは驚きをもって受け止められたわけですが、どのような経緯で実現したのでしょうか。「どうですか?」と言われて挑戦してみよう、となった感じでしょうか。逆に、もともと、やってみたかったのでしょうか、
山内: グラビアをやってきたメンバーではないので、この写真集が決まるまでは一生縁のないものだと思っていました。やはり写真集となると水着やランジェリーがあったりするし、今までやってこなかった分、不安ももちろんあったのですが、たくさんフィッティング(試着)を重ねたり、「自分がやりたくなかったら大丈夫だよ」と、すごく寄り添ってくださった上で、いろいろ決めてくださったので、少しずつ自分も挑戦してみようという気持ちになって、今回やることを決めました。
―― いざ、やってみたら緊張しましたか。
山内: 正直、しませんでした。リラックスして本当に自然体に撮影できました。
―― 最後の方のカットでは、やはり笑顔が見えますね。
山内: K-POPの衣装だけクールな表情が多く、唯一笑っているカットがないのですが、その他は全部笑顔が入っています。
―― ロケの様子をもう少し聞かせてください。8月28日のSHOWROOM配信では「写真集をきっかけに、私、山内瑞葵は晴れ女になりました!雨女卒業します!」と話していました。ロケはいつ頃でしたか。
山内: 7月初旬でした。
―― プーケットの雨季は5~10月なので、雨季のロケだったわけですね。
山内: そうなんです。空港に着いて「明日の撮影、天気どうかな?」と調べたら降水確率100%で、撮影前日は本当に不安でした。これまで私は雨女として生きてきたので、「大切な日だけど、これは降るかな......?」と思っていました。いざ当日を迎えたら全然雨が降る感じもなく、外で撮影できたのですが、終わって移動しましょう、となって車で移動を始めてから雨がザーッと......。
―― それは強運ですね!
山内: 本当に良かったです!
「もっと幅広く、たくさんの方に今のAKB48を見ていただきたい」
―― 前総監督の向井地美音さん(26)や元NGT48の本間日陽さん(24)の写真集を参考にしたと聞きました。今後は、山内さんの写真集を後輩の皆さんが参考にすることもあると思います。仕事の幅も広がるかもしれません。そこで思い出すのが山内さんがセンターポジションを務めた「失恋、ありがとう」(20年発売)です。ちょうど発売とコロナ禍が本格化した時期が重なり、販売促進活動や握手会などのイベントが大幅に制限され、山内さんにとっては悔いが残る環境でした。「乃木坂に、越されました?AKB48、色々あってテレ東からの大逆襲!?」(テレビ東京、21年)では、当時を思い出して涙を流す場面もありました。センターをもう一度、という思いはありますか。
山内: あります。ありますね、それは。AKB48にいるうちは、やはり常に上を目指し続けたいと思います。「失恋、ありがとう」でセンターを経験して、その頃はコロナ渦で、自分が想像していたセンターとは違う......やはりコロナというのは誰が悪いというわけでもないし、当時は何をしたらいいのか、何が自分にできるのか分からず、とにかくがむしゃらに楽曲を大切に歌って、皆さんにお届けすることしかできませんでした。それを経験してから今までに、(次のシングル曲の)「根も葉も Rumor」(21年)があったりと、いろんな経験をしました。今はラジオ(bayfm「柱NIGHT! with AKB48」)のメインパーソナリティーを担当させていただいたりして、環境がどんどん変わっていくうちに、自分もあの時よりも強くなっていると思うし、あの頃より変わっていると思うので......うん。
―― 言い方が難しいのですが、山内さんは環境のせいで不幸な立場にあったと受け止める人も多いと思います。「平時」にもう一度センターをやりたい、ということですね。
山内: そうですね......先輩メンバーもたくさん卒業されていて、私自身も先輩になっているので、後輩もたくさん入ってきてくれた今、今のAKB48にしかない魅力もたくさんあります。もっと幅広く、たくさんの方に今のAKB48を見ていただきたいという思いが強くあるので、伝える一人として先頭に立っていきたい、という気持ちがすごくあります。
―― AKB48の主要メンバー、と言われることも多いと思います。その一人としての決意表明だと受け止めました。一方で、AKB48は一生続けられるものでもありません。卒業後もエンターテインメント業界で活躍されると思いますが、そのあたりの考え方についてうかがいます。山内さんは元HKT48の宮脇咲良さん(26、現・LE SSERAFIM)に憧れてAKB48のオーディションを受けたと聞きました(編注:山内さんと宮脇さんは、グループ加入前に劇団四季の「ライオン・キング」に子役として出演していた)。宮脇さんは今は韓国が拠点ですが、山内さんもそういった方向性を考えているのか、あるいは国内で演技なり歌をやっていくのか......中長期的な話ですが、どういった思いを持っていますか。
山内: そうですね......私は卒業してもステージに立ち続けたいと思っています。AKB48に入る前に、ミュージカルにたくさん出させていただいていたので、演技のお仕事もすごく興味があります。もっといろいろな役を重ねて演技力を鍛えて、表現の幅を広げていきたいです。最近すごくやりたいなと思っているのが、やはりステージに立って歌って踊ることです。ステージに立って歌って踊ってる自分が、自分で言うのも変なのですが、一番輝いているな、と思うので...。最近はゆきりんさん(柏木由紀さん=33)も卒業されて、ゆきりんさんのようなソロでステージを作っているメンバーもいないので......この夢はまだどこにも言っていないのですが、ソロで(コンサート)ツアーをして全国を回って、いろいろな場所で自分がステージに立って歌って踊っている姿をたくさんの方に見ていただいて元気に幸せになってほしい、私が幸せにしたい、という思いがすごく芽生えました。
―― なるほど、「一生アイドル」みたいな......。松田聖子さん(63)が、それに近い存在かもしれません。
山内: 素敵ですよね。そういう、何かのステージに立って輝いていたいなと思います。
山内瑞葵さん プロフィール
やまうち・みずき 2001年生まれ、東京都出身。16年に16期生としてAKB48に加入。52枚目のシングル「Teacher Teacher」(18年)で初めて選抜入りし、「失恋、ありがとう」(20年)でセンターポジションに抜擢された。最新シングル「恋 詰んじゃった」(24年)まで8作連続で選抜入りしている。20年にはソロコンサートも開いた。愛称は「ずっきー」。
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