東京・品川区、所得制限のない給付型奨学金を創設…来年度から

品川区

　東京都品川区の森沢恭子区長は２６日、返済義務のない給付型奨学金制度を来年度に始める考えを明らかにした。区内在住の大学生が対象で、所得制限を設けないのが特徴だ。財源は、今年度の事業を見直して無駄の削減によって捻出できた費用を充てるという。

　区は、教育や福祉などは親の所得にかかわらず全ての人が平等なサービスを受けられるようにするべきだとの考えで、新たな奨学金制度もその一環としている。森沢区長は読売新聞の取材に、「家庭環境などにより大学進学の選択が阻まれることのないよう、（制度の創設で）地域から新たなメッセージを発信する」とコメントした。

　区幹部によると、給付額は大学の授業料相当とする方向で、対象は年間１００人程度を見込む。面接を通じて将来性などをみて給付するかどうかを決める。

　自治体による給付型奨学金は足立区が昨年度、所得制限付きで始めたが、品川区幹部は「所得制限のない制度は都内でほかに例がない」としている。品川区では今年度、小中学生の学用品について所得制限なく無償化する取り組みも始めた。