与党が過半数割れ、立憲民主党は連立拡大阻止のため野党の結束呼びかけへ…政権枠組みは流動的に
読売新聞 / 2024年10月28日 12時0分
衆院選で自民、公明両党が過半数を割り込んだことを受け、政権の枠組みは流動化する見通しだ。与党側は、すでに自民の森山幹事長が水面下で国民民主党幹部に接触しており、今後、連立の枠組み拡大への働きかけを強めるとみられる。立憲民主党は野党連携によってこれを阻止し、政権交代の実現を追求したい考えだ。
立民の野田代表は28日午前、東京都内の連合本部を訪れ、衆院選で支援を受けた連合の芳野友子会長と会談した。終了後、記者団に「これから特別国会に向けて、各党と誠意ある対話をしていく」と述べた。
芳野氏は会談で「立民も国民も躍進できた。ぜひ我々の要求を受け止めて対応してほしい」と求めたという。
当面の焦点は、過半数割れとなった与党に対抗する野党連携の枠組みの構築だ。立民は28日午前、党本部で党執行役員会を開き、近く召集される特別国会での首相指名選挙を含め、他の野党との連携の進め方などについて協議した。
野田氏は連携を呼び掛ける政党について、今月の臨時国会で内閣不信任決議案を共同提出した日本維新の会や国民を想定している。28日未明の記者会見では、「自公政権の存続を望んでいない人たちと合意点を探すことは十分ありうる」と自信をのぞかせた。
野田氏は中でも、同じく連合から支援を受ける国民との協議を優先的に進める方針だ。立民幹部は、与党が国民に連携を働きかけていることを踏まえ、「国民が与党に協力すれば自公政権の延命につながる」と警戒感を強めている。
ただ、野田氏は同日午前、記者団に対し、連携に向けた協議について「特別国会前に整理することはできない」とも述べ、協議は一定の時間を要するとの見通しを示した。「特別国会後、落ち着いた段階で、協議は丁寧にやっていきたい」として、来夏の参院選までの決着を目指す考えだ。
一方、躍進した国民は、与野党双方からの秋波を受け、キャスチングボートを握る存在となっている。
玉木代表も28日午前、連合本部で芳野氏と会談した。会談後、玉木氏は記者団に「(自公の)連立には入らない」と述べ、自公連立政権入りを改めて否定した。28日未明の記者会見では、「我々の意見をしっかり聞かないと、法案一つ、予算一つ通らなくなる。政策を作り上げる新しいルールやお作法が必要になる」と述べ、増えた議席をテコに、与党に対し、同党が掲げる政策の実現を迫る考えを強調した。
玉木氏は立民との連携にも否定的で、同日午前、特別国会での首相指名選挙では「玉木雄一郎と書く」と述べた。
維新も他党との連携には否定的だ。馬場代表は27日夜の記者会見で与党への連立参加について「今のところ全く考えていない」と否定した。
同党を巡っては、大阪府内の小選挙区で全勝した一方、音喜多政調会長が落選したほか、比例選で議席を減らした。これらの責任などを問うため、今後、代表選を実施するかが焦点となっている。
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