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少数与党、予算や税制改正が停滞の恐れ…野党との調整長引く可能性

読売新聞 / 2024年10月28日 22時58分

 衆院選で自民、公明両党が過半数割れし、政府の経済政策運営の先行きが不透明になっている。石破首相は続投する意向だが、今後は野党の協力が必要となることから、首相が策定を指示した経済対策や2025年度予算案などに向けた日程が遅れ、内容の修正を迫られる可能性もある。政策実現の道のりは厳しさを増すことになりそうだ。(有泉聡、下里雅臣)

短命のケースも

 首相は、今月4日に指示した物価高対策などを柱とする経済対策について、衆院選後の11月中下旬に決定し、裏づけとなる24年度補正予算案を年内に成立させる絵を描いていた。選挙期間中には、補正を昨年度の13兆円を上回る規模とする方針を示した。

 過半数割れしたことを受けて今後、国民民主党などに協力を求める場合、国民が掲げる「手取りを増やす」ための政策などを一定程度取り入れ、経済対策に反映させることを求められる可能性が高い。調整が長引き、策定までの日程に遅れが出て、補正成立が来年にずれ込む可能性もある。

 25年度の予算案と税制改正に向けた検討でも野党の協力が必要となる。例年、12月に自公が税制改正大綱を取りまとめ、政府が予算案を決定してきた。自公は11月から本格的な議論を始めるが、野党との調整が難航し、予算編成なども遅れる可能性がある。

 「少数与党」の自公と他党との連携が実現しない場合、予算などの成立が困難な状況に追い込まれる。過去に少数与党だった内閣は、政権が安定せず短命に終わったケースもある。

エネルギー

 首相は地方創生を看板政策に掲げ、農林水産業の振興を重視するが、衆院選では現職の農相が落選した。

 農林水産省には「粛々と仕事をこなしていく」(幹部)と冷静に受け止める職員が多いが、コメ政策の見直しなど、政治が混迷する中で議論が深まるかは不透明だ。農業の担い手不足や生産コストの上昇など課題は山積しており、農政の停滞を招かないよう、政策の推進が求められる。

 原子力発電所の再稼働など、エネルギー政策にも影響を与える可能性がある。

 自民は、電力の安定供給や脱炭素のため原発を最大限に活用する立場だ。だが、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働では、地元の同意が得られていない。衆院選では、「地元合意がない再稼働は認めない」と主張する立憲民主党が新潟県の全選挙区で勝利しており、再稼働は見通せない状況だ。

 政府は今年度内に、中長期的なエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」を改定する方針だ。データセンターの増設など電力需要の伸びが予想されており、再生可能エネルギーや原発といった脱炭素電源の確保が鍵となる。ただ、政権の不安定化で改定作業が難航する可能性もある。

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