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女川原発2号機が13年7か月ぶりに再稼働、被災地で初…12月にも営業運転を開始

読売新聞 / 2024年10月30日 0時35分

東北電力の女川原子力発電所(29日、宮城県女川町で、読売機から)=大石健登撮影

 東北電力は29日、女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機(出力82・5万キロ・ワット)を13年7か月ぶりに稼働させた。2011年の東日本大震災後、被災地の原発が再稼働するのは初めて。震災で事故が起きた東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)の再稼働も初となる。来月7日に発電を再開し、12月にも営業運転を開始する。

  この日は午後7時に原子炉を起動した後、原子炉内の核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く作業を始めた。30日午前0時12分、反応が安定して続く「臨界」に到達した。

 東北電の樋口康二郎社長は「引き続き安全確保を最優先に、一つひとつのプロセスにしっかりと対応していく」とのコメントを発表した。

 稼働停止期間が長かったことから、東北電は安全対策の一環として発電開始後、原子炉を一度停止。設備に異常がないか確認した上で、再び原子炉を稼働させて営業運転に移行する。宮城県の村井嘉浩知事は29日の定例記者会見で、「安全を最優先に作業を正確に進め、少しでも異常があった場合はためらうことなく作業を止めて、県民に積極的に情報公開していただきたい」と述べた。

 国内の電力需要は、AI(人工知能)やデータセンターの普及などで今後も増加が見込まれている。原発の再稼働は、電力の安定供給につながると期待されており、林官房長官は29日午前の記者会見で、「原子力は再生エネルギーとともに脱炭素電源として重要だ。安定供給の観点からも、安全性の確保を大前提に最大限活用を進めていく」と強調した。

 原発の再稼働については13年7月、福島第一原発事故の教訓を踏まえた新規制基準が施行され、電力会社には、地震・津波などへの対策の強化が求められるようになった。これまでに、原子力規制委員会の安全審査に合格した関西電力の7基、九州電力の4基、四国電力の1基の計12基が再稼働しているが、東日本では今回が初めてとなる。

 女川原発の安全対策工事は今年5月に完了。最大23・1メートルの津波を想定した防潮堤(海抜29メートル、総延長800メートル)のほか、放射性物質の漏えいを抑えながら原子炉格納容器内の圧力を下げるフィルター付きベント(排気)装置、原子炉の冷却水約1万立方メートルを蓄える貯水槽などを整備した。

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