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JR東のローカル線、36路線72区間で赤字・総額は757億円…廃線や手段転換へ議論

読売新聞 / 2024年10月29日 21時30分

JR津軽線の車両。ローカル線の経営は厳しさを増している(27日、青森市で)=鈴木瑠偉撮影

 JR東日本は29日、利用者が減少し採算が悪化しているローカル線の2023年度収支を公表した。対象の36路線72区間すべてが赤字で、赤字総額は757億円に上った。運行継続は一段と厳しさを増しており、廃線や他の輸送手段への転換に向けた議論も進みつつある。

 1キロ・メートルあたりの1日の平均利用者数(輸送密度)が2000人未満だった路線が公表の対象。昨年秋の前回公表時には19年度を基準としたが、今回は23年度に変更し、2路線10区間増えた。前年度と比較可能な62区間で比べると、赤字額は7億円拡大した。

 対象区間の総延長はJR東日本の在来線の4割を占める。コロナ禍からの回復に伴い、多くの区間で利用状況が改善したものの、老朽化で保守費用がかさむ路線も目立った。23年度の赤字額が最大だった区間は羽越線の村上(新潟県)―鶴岡(山形県)で49億6800万円。

 JR東全体の23年度の鉄道運輸収入は、首都圏や新幹線の利用が増えて前年度より約2400億円増加しており、ローカル線の厳しさが際立っている。

 JR西日本が29日発表したローカル線の収支も、対象の17路線30区間の赤字総額が233億円(21~23年度の平均)に上った。

 各地では自治体も交えてローカル線の存廃に向けた議論が進みつつある。5月には大雨による被災で運休が続く津軽線の蟹田―三厩(青森県)のバス・タクシーへの転換が決まった。

 久留里線の久留里―上総亀山(千葉県)でも、JR東や自治体でつくる検討会が今月、「自動車中心の交通体系に移行することで、より利便性が高まる」とする報告書をまとめた。

 昨年10月に改正地域公共交通活性化・再生法(地域交通法)が施行され、自治体や鉄道事業者らが話し合う「再構築協議会」の制度が創設。岡山、広島両県を走る芸備線で初めて設置された。3年をめどに存廃の結論を出す予定で、JR西の長谷川一明社長は「非常に重要なステップを踏んできている」と話す。

 ただローカル線の存廃議論には自治体側の警戒感も根強い。鉄道事業者には地域の実情に合わせた丁寧な対応が求められそうだ。

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