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転職後の年収変動調査「20代大幅アップ」 でも年収増だけが「良い転職」ではない(1)/「doda」編集長・桜井貴史さん

J-CASTニュース / 2024年10月30日 20時5分

転職後の年収変動調査「20代大幅アップ」 でも年収増だけが「良い転職」ではない(1)/「doda」編集長・桜井貴史さん

さあ、転職先で頑張ろう

やはり、転職するなら20代~30代までが年収アップが期待できるのだろうか。

人材総合サービスのパーソルキャリア運営する転職サービス「doda(デューダ)」が2024年10月23日に発表した「年代別 転職時の年収変動レポート」によると、20代は年収大幅アップ、30代は微増、40代は減少傾向という調査結果が出た。

これから転職を目指すアナタ、どうする? 調査をまとめた「doda」編集長の桜井貴史さんに転職の際の心得を聞いた。

20代、30代、40代転職者の年収の変化は?

「doda」の調査は、2019年度上期(2019年4月~9月)と2024年度下期(2024年4月~9月)に、それぞれ「doda」のサービスを利用した転職者に年収の変化を聞いて比較したもの。

まず、20代の転職前と転職後の年収変動をみると、2019年は横ばいで推移した。しかし、2024年期には平均で105%アップした。転職者を受け入れる企業が採用決定時に提示する年収を指す平均決定年収額も、2019年と比較して111%も増加した【図表1】の左図。

【図表1】の右図が、20代転職者の決定年収の分布だ。これを見ると、「400万円以上~800万円未満」の割合が2019年比で16%も増加しており、合わせると全体の半分以上を占める結果となった。「400万円未満」が減り、全体的に年収が底上げされている。

続いて、30代の転職時の年収変動を比較したのが【図表2】の左図だ。2019年は減少し、2024年は101%の微増にとどまった。なお、平均決定年収額は2019年度上期比で106%アップしている。

ただし、【図表2】の右図の決定年収の分布をみると、ボリュームゾーンである「400万円以上~600万円未満」の割合は変わらないものの、より高額の「600万円以上」の割合が計8%増えた。20代ほど全体的に年収が底上げされるわけではないが、高学年収の割合が分厚くなったといえそうだ。

さて、40代の転職時の年収変動はどうか。【図表3】の左図をみると、2019年と2024年ともに減少傾向だった。しかし、右図の決定年収の分布をみると、「800万円未満」が微減し、「800万円以上」が計6%増加している。転職すると全体的に年収が減るが、一部ではかなり年収が高くなる層がいるようだ。

「未経験者」も「即戦力」も期待、ウハウハの20代の転職

J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった「doda」編集長の桜井貴史さんに話を聞いた。

――20代では2019年時に比べ、決定年収が大幅にアップし、ボリュームゾーンが「400万円以上~」にシフトしました。転職するとウハウハといった感じですが、ズバリこの理由は何でしょうか。

桜井貴史さん 背景には、深刻化する人材不足の影響が大きいと考えています。具体的には、未経験採用でも貴重な20代を採用すべく企業が決定年収を引き上げる傾向にあることがあげられます。

また、即戦力採用では、スキルベースで年収を提示する企業が増加していることなどから、決定年収が大幅アップし、決定年収が400万円を超える転職者が増えたのだと考えています。

――20代転職者で年収が大幅アップしたケースには、どんな職種の人がいるのでしょうか。

桜井貴史さん 20代に多い営業職経験者のうち、転職によって年収アップした方の事例を2つ紹介します。

――ぜひ教えてください。

桜井貴史さん Aさんは、保険会社の個人向け営業からIT系企業での法人営業に転職しました。350万円から440万円と、90万円アップしました。Aさんは、転職先企業の分析を丁寧に行い、商材、営業スタイルなどが異なる中でも自身の営業経験から活かせるポイントをアピールできたことで、より難易度の高い法人営業職に就くことができ、年収アップをかなえました。

Bさんは、人材会社のエンジニア派遣営業からIT系企業の採用人事に転職しました。470万円から550万円と、80万円アップしています。Bさんは業種も職種も異なる転職パターンですが、テキパキと明るく話せる、相手の意図を汲みとって行動する力に優れており、将来的に採用人事以外のポジションでも活躍が期待できそうな点などが評価され、年収アップに成功しました。

――なるほど。20代ではどういうタイプの人が転職で成功するのでしょうか。

桜井貴史さん 20代は、ほかの年代に比べて経験値が浅い一方で、ポテンシャルを評価してもらえる余地があります。

2人に共通するポイントとして、前職で得た強みに仕事でつちかった能力をほかの分野でも応用できる「再現性」があることや、未経験領域でも前向きな挑戦意欲を伝えられた点、自己分析を丁寧に行い長期スパンでのキャリアビジョンを言語化し、アピールした点などが挙げられます。

その結果、企業から入社後の活躍への期待感が高まり、年収アップにつながったと考えています。

では、30代、40代の場合はどうか。<転職後の年収変動調査「30代微増」「40代ダウン」 でも年収増だけが「良い転職」ではない(2)/「doda」編集長・桜井貴史さん>に続く。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)



【プロフィール】
桜井 貴史(さくらい・たかふみ)
doda編集長

新卒で大手人材会社に入社、一貫して国内外の学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。
2016年11月、パーソルキャリアに中途入社。新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。大学生向けサービスの責任者を務める。
2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。

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