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150年ぶり直径2・5mの巨大木桶を新造、長年更新できず…若手職人と共同で再開し徐々に大きく

読売新聞 / 2024年11月9日 20時20分

巨大な木桶作りでタガを入れる職人たち(10月27日、川島町で)=鈴木竜三撮影

 昔ながらの木桶きおけによる醤油しょうゆづくりを続ける埼玉県川島町の「笛木醤油」(1789年創業)で、「50石」と呼ばれる同社最大の大桶づくりが約150年ぶりに行われている。

 桶は高さ、直径ともに約2・5メートルで、約9000リットルの醤油を製造できる。古くから同社にある38の大桶のうち、半数以上が50石だ。しかし木桶を製作できる職人が少なく、更新できずに長年使い続けていた。

 伝統製法を絶やすまいと、社長の12代目笛木吉五郎さん(44)が8年前、各地の若手職人と共同で桶作りを再開。徐々に大きくし、今年、50石の製作にたどり着いた。

 作業は10月22日に始まり、職人5人が、スギの板60枚を竹くぎでつないだり、竹のタガを木づちではめたりしてきた。1日は底板の打ち込み作業が行われ、ほぼ完成した。3日の創業祭でお披露目の予定だ。

 笛木さんは「木桶による醤油の製造は時間も手間もかかるが、じっくり発酵や熟成が進むため、深みのあるまろやかな味になる」と話す。来年2月に新しい50石で醸造を始め、早ければ1年後に出荷するという。

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