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虫歯痛と似ている「三叉神経痛」、早期発見・根治へ歯科医と連携…名古屋・藤田医科大ばんたね病院

読売新聞 / 2024年11月2日 16時10分

愛知県

 藤田医科大ばんたね病院(名古屋市中川区)が、虫歯の歯痛と症状が似ていて診断が難しい三叉さんさ神経痛の専門外来を設け、地域の歯科診療所と連携して早期発見と根治に取り組んでいる。同病院脳神経外科の小松文成准教授によると、県内の発症者は、年間300~600人で、手術で根治が可能という。

 三叉神経痛は、額、頬、あごなどの感覚を脳に伝える三叉神経が、周囲の血管に圧迫されることで発症する。顔の片側で、上下のあご付近に激しい痛みが繰り返す。洗顔、化粧、歯磨き、食事、会話などの日常活動がきっかけとなり、数秒から数十秒の痛みが発生する。小松准教授によると、50歳以上の女性に比較的多く、県内の患者は約2250人と推計している。

 痛みによって日常生活に支障がでる場合があるが、普通の痛み止め薬は効かず、治療には、脳神経を鎮める薬物療法や神経ブロックが一時的に施される。根治手術は、三叉神経から圧迫の原因となっている血管を離す手術などが必要になる。

 ただ、強い歯痛と勘違いして、初診は歯科に通う患者が多いことが課題になっている。歯科では診断に至らず、複数の医療機関を受診して治療の開始が遅れる傾向も見られるという。

 このため、2021年4月から専門外来を週2回開く小松准教授らは、一宮市や安城市など各地の歯科医師会を訪問し、説明や講演で連携を図っている。歯科医師向けに三叉神経痛の問診票も作成して、患者が10項目のうち半数以上に該当すれば、診断に有効な頭部の磁気共鳴画像(MRI)検査を勧めるように依頼している。

 専門外来では、MRIとコンピューター断層撮影(CT)を合成して、立体画像で診断を行う。手術は内視鏡を使い、耳の後ろを約1・5センチ開ける方法を採る。同年54件、22年99件、23年92件の手術を実施、従来の開頭手術よりも内視鏡内にあるカメラで状況を把握しやすく、安全性は高まっているという。

 小松准教授は「手術でほぼ根本的に痛みが治まる。地域の歯科医師と連携して、原因が分からないという患者の不安を解消したい」と話している。

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