新駅舎が1か月前に完成したJR松山駅、記録的大雨で水浸しに…大街道商店街で浸水した店舗も
読売新聞 / 2024年11月3日 10時16分
西日本が大雨に見舞われた2日、愛媛県内では松山市や今治市で浸水などの被害が多数確認された。河川の氾濫の危険性が高まり、松山市は一部の地域に「緊急安全確保」を発令。浸水した施設や店舗では、入り込んだ水を懸命にかき出す姿が見られた。(黒岩美緒、宇仁菅玲香)
松山地方気象台によると、松山市で午前11時半までの1時間に約100ミリ、今治市では正午までの1時間に約120ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が発表された。さらに両市の計4地点では、観測史上最大の1時間降水量を記録した。
松山市では市内を流れる大川と久万川に一時、氾濫の危険があり、市は周辺10地区の10万161世帯18万9552人に緊急安全確保を出した。
石手川も河川全体で水位が上昇。上流にある石手川ダムでは、放流量を増やして対応した。茶色い濁流を不安げに見る近隣住民の姿もあった。
近くに住む松山市の高校教諭(48)は「何年かに1度は大雨は起こるが、いつもより雨はすごかった。いつまで続くんだろうと思った」と話した。
市中心部では道路の冠水が複数発生した。大街道商店街では、浸水した店舗もあり、店員らがモップや雑巾で水を除こうとしていた。9月29日に駅舎が新しくなったばかりのJR松山駅では、改札付近などが水浸しになった。
駅構内の商業施設「だんだん通り」も浸水し、飲食店の従業員女性(58)は「午前11時すぎに雨が強くなると、一気に雨水が流れ込んできた。施設が低い場所にあり、一瞬で周りが水浸しになった」と表情を曇らせた。
公共交通機関では、伊予鉄道が大雨の影響で、市内電車と郊外電車の全線で一時運転を見合わせた。JR四国は予讃線の伊予北条―今治駅間、伊予市―伊予大洲駅間(海回り)の上下線などで運転を見合わせるなどした。
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