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悔し泣きしていた手塚治虫さん…ちばてつやさん「喜んでいると思う」と感慨深げに語る

読売新聞 / 2024年11月3日 17時17分

文化勲章親授式を終え、記念写真に納まる(左から)広川信隆さん、田渕俊夫さん、中西準子さん、高橋睦郎さん、石破首相、ちばてつやさん、堤剛さん、江頭憲治郎さん(3日、皇居で)=三浦邦彦撮影

 文化勲章の親授式が3日、皇居・宮殿で行われ、天皇陛下が漫画のちばてつやさん(85)ら受章者7人に勲章を手渡された。

 ちばさん以外の6人は、詩・俳句・短歌の高橋睦郎さん(86)と環境リスク管理学の中西準子さん(86)、日本画の田渕俊夫さん(83)、チェロ・文化振興の堤剛さん(82)、細胞分子生物学の広川信隆さん(78)、商法学の江頭憲治郎さん(78)。陛下は、式で「今後もそれぞれの分野の発展に力を尽くされますよう願っています」と述べられた。

 受章者はその後、記者会見に臨んだ。漫画家初の受章者となったちばさんは、漫画が「悪書」として燃やされた時代に、巨匠の手塚治虫さん(1928~89年)が悔し泣きしていたと明かし、「漫画が文化の一つに加えられたことを、手塚さんも喜んでいると思う」と感慨深げに語った。

 女性で唯一の受章者となった中西さんは、「理解してもらうのが難しい分野での受章はとてもうれしい」と喜びをかみしめた。後輩の女性研究者らに対し、「子育てや家庭生活との両立を頑張ってほしい。そうすれば必ず認めてもらえるはず」とエールを送った。

 堤さんは、音楽を通じて天皇ご一家や上皇ご夫妻と長年、交流を続けている。「今回の受章を到達点ではなく、出発点にしたい」と決意を口にした。

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