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日本酒・焼酎など「伝統的酒造り」ユネスコ評価機関が無形文化遺産に登録勧告…「欠かせない」

読売新聞 / 2024年11月5日 13時21分

蒸した米を台に広げてこうじ菌をふりかける作業を行う職人(岩手県二戸市の「南部美人」で)

 国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に日本が提案している、日本酒や焼酎、泡盛などを造る技術「伝統的酒造り」について、ユネスコの評価機関が登録を勧告した。文化庁が5日、発表した。12月2~7日に、南米パラグアイで開かれる政府間委員会で正式に登録が決まる見通しだ。

 評価機関は勧告で、「酒造りが職人と地域住民を結び、環境の持続可能性に貢献している」ことや「酒が祭りや結婚式などの日本の行事に欠かせない役割を果たしている」ことなどが、無形文化遺産の登録基準を満たしているとした。登録が勧告された場合、同委員会では勧告通り登録を決めるのが通例だ。

 「伝統的酒造り」は、カビの一種であるこうじ菌を米や麦など穀物に繁殖させた「こうじ」を使って発酵を促したり、風味を豊かにしたりする製法が、世界の酒造りでも特徴的だ。室町時代に原型が確立したとされ、杜氏とうじ蔵人くらびとと呼ばれる職人が経験を基に、米の蒸し方、水分調整、発酵管理などの手作業を洗練させて、各地で多様な酒を生み出した。

 政府はユネスコへの提案で、各地の気候風土に応じて発展した伝統的酒造りが慣習や祭礼などに深く根ざしている価値を強調した。質の良い水や酒米を確保するため環境保全の取り組みがなされ、酒かすも無駄にせず料理に使うなど、SDGs(持続可能な開発目標)をふまえた意義も訴えた。

 日本では「能楽」「歌舞伎」「和食」「和紙」などが無形文化遺産に登録されており、「伝統的酒造り」が登録されれば、23件目となる。

◆無形文化遺産=世界文化遺産が建物や遺跡など形のある文化遺産を保護するのに対し、芸能、儀式、工芸技術など形のない文化遺産の保護を目的とした制度。2003年のユネスコ総会で無形文化遺産保護条約が採択された。世界では611件登録されている。

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