東京デフリンピックまで1年、頂点目指し準備本格化…デフサッカー男子代表
読売新聞 / 2024年11月7日 10時6分
来年11月15日に東京を主会場として開幕する、耳の聞こえない選手によるスポーツの祭典「デフリンピック」まで、残り約1年となった。10月12日に東京都品川区で行われたデフサッカー男子日本代表と、品川CCとの親善試合の様子と、デフサッカーの男子日本代表の松元卓巳キャプテンらの話を報告する。
高い技術力、激しいボールの奪い合い
晴天の下、家族や友人らの応援を受けて、双方のチームの選手らは、激しくボールを奪い合った。通常の試合と少し違うのは、主審が旗を持ち、反則の際などに笛と同時に旗を掲げて合図をすること。それ以外はほとんど、テレビなどでみるサッカーの試合と同じだ。
ベンチからの指示が聞こえないため、デフの選手たちはベンチに頻繁に目を向けて、合図を確認したり、選手同士で合図を送り合ったりしてプレーをしていた。試合は1対1の引き分けだったが、品川CCの槙野智章監督は「デフ日本代表の、相手の裏をかく動きや、セカンドボールの回収などに学ぶべきは多かった。我々がフィジカル負けするシーンも多かった」などとデフチームの健闘をたたえた。
数百人の観衆が陽気にそれぞれの選手を応援する中、選手たちの高い技術力に裏打ちされた試合運びは見応えがあった。試合後には、サッカー少年少女らが選手に質問する時間もあり、スポーツを通じた多様な交流が実現していた。
手話による実況や解説を動画配信する試みも行われた。ろう者がインターネット上で観戦する時に力を発揮しそうだ。
来年のデフリンピックのサッカー競技は、福島のJヴィレッジが会場となる。震災からの復興の一翼を担ったイベントとしての期待も大きい。デフ男子日本代表は2023年9~10月にマレーシアで開かれたデフサッカー世界選手権大会で準優勝するなど、金メダルを狙える位置にある。
決定力など課題、1年間で準備を…松元卓巳選手
「新しい選手が活躍し、チームを底上げしたい時なので、来年に向け収穫のあったゲームだった。決定力や守備の力はまだ足りず、今後1年で充実させたい。
品川CCはプロの実力を持つ選手もおり、戦い方を共有しながら攻守を展開している印象だった。僕らも慌てずにゲームを組み立てることを吸収していきたい。次の機会があれば今度は勝てるようになりたい。個人的には、去年のマレーシアで受けたけがから復帰したばかりで、納得できるプレーができていない。先発で出場しチームを引っ張っていけるようになりたい」
世界一目指し前進…吉田匡良監督
「試合は引き分けだったが、この青空の中、応援の皆さんが来てくれて、素晴らしい環境を与えていただき感謝です。
デフリンピックで世界一をとろうと、前進している。今後も世界を目指し積み重ねていきたい。まだやることはたくさんある。ピッチに立つ11人だけでなく、ベンチにいる選手、招集されなかった選手や、未来の選手も、勝負を分けるのに大事だと思っている。今回23人招集したが、大会の本番では交代できる人数が決められている。戦い方をしっかり選手に示していきたい。
デフリンピック・サッカーの会場は福島Jヴィレッジだ。福島で開催することを広く知っていただき、多くのお客さんに来てほしい。時間はあるように見えるが、合宿の日数でいえば、実質1か月しかない。修正すべきところは多く、全身全霊でやっていきたい。選手たちが
広報体制の整備が課題【取材後記】
本番まで1年、試合運営には課題も残されているように感じた。例えば出場選手など試合についての取材者用資料がなかったこと。選手名や背番号が分からず、その後も誰が何分に得点したかなどの公式記録も提供がなかった。親善試合ではあるが、日本代表のユニホームを着たゲームであり、注目されていたと思う。デフサッカーについて知識のない観客や記者に理解を深めてもらう工夫がほしかった。
デフリンピックは聴覚障害者が参加する競技大会だが、パラリンピックのようなリハビリ志向はなく、記録を競い、勝ち負けにこだわるという大会理念がある。次世代のアスリートが記録を塗りかえて進むためにも、選手名、過去の戦績などのデータを整備し、客観的に活躍を伝える工夫も求められそうだ。(栗原守)
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