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「衆院選の総括なしに首相指名選挙で石破と書けない」…自民が7日に両院議員懇談会を開催

読売新聞 / 2024年11月5日 21時30分

自民党役員会に臨む(左から)森山幹事長、石破首相、菅副総裁(5日、党本部で)=川口正峰撮影

 自民党は5日、衆院選を総括するための両院議員懇談会を7日に開催すると発表した。石破首相(党総裁)と党所属議員が意見交換する予定で、首相や森山幹事長ら党執行部への批判が噴出する可能性がある。首相は、選挙で敗北した当時の首相に退陣を迫ってきた過去があり、自らの言動との整合性も問われそうだ。

 首相は5日、党本部での役員会で、開催について、「皆さんの意見をたまわりながら、今後の党運営に努力したい」と説明した。

 首相は、与党で過半数確保を勝敗ラインに掲げて衆院選に臨んだ。だが、結果は大敗に終わり、過半数を割り込んだ。党内には、「衆院選の総括なしに、首相指名選挙で『石破』と書いてくれと言われても納得できない」(中堅議員)との声が根強くある。このため、11日召集の特別国会に先立ち、懇談会を開くことになった。

 衆院選終盤には、非公認候補が代表を務める党支部に対し、党本部が2000万円を支出したことが判明し、世論の批判を浴びた。小泉進次郎選挙対策委員長が敗北の責任をとって辞任したが、党内には「小泉氏の辞任だけではすまない」(若手)との意見も多い。

 特に落選が相次いだ旧安倍派の議員の間には、火種がくすぶる。同派に所属した萩生田光一・元政調会長は1日のインターネット番組で、「(総裁選で)石破さんに票を投じた方は責任を共にしていると思う」と強調した。首相と総裁選で争った高市早苗・前経済安全保障相との関係についても「しっかりと連携をとってやっていきたい」と語り、首相を強くけん制した。

 首相は2007年7月の参院選で惨敗した際、「安倍首相は辞めるべきだ。そうでないと、自民党が終わってしまう」と述べ、安倍氏の退陣を求めた。09年7月には、東京都議選の敗北を受け、麻生首相に退陣を迫った。これらの言動が、今も旧安倍派や麻生派が首相と距離を置く要因となっている。

 とはいえ、首相を仮に引きずり降ろしたとしても、少数与党の現状を打開できる状況にはなく、「石破降ろし」の動きは目立っていない。高市氏は5日夜、東京都内で自らに近い議員と会食した。萩生田氏も出席し、高市氏は「結束して自民党をもり立てていこう。ガタガタしたら野党になる」と呼びかけた。

 来年は都議選や参院選が予定されており、自民ベテランは「選挙が近づけば退陣論が続出する。今回の衆院選での亀裂は簡単に修復できないだろう」との見方を示した。

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