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「年収103万円の壁」見直し、政府・与党と国民民主が引き上げ幅を協議へ…11日には党首会談

読売新聞 / 2024年11月6日 5時0分

 政府・与党は、国民民主党の主張に沿って「年収103万円の壁」を見直す方向で調整に入った。自民、公明両党の連立政権は少数与党で、円滑な国会運営には国民の政策を取り込むことが不可避だと判断した。国民案では巨額の税収減などが見込まれるため、修正を図って合意を得たい考えだ。

 複数の政府・与党関係者が5日、明らかにした。

 国民は、年収103万円を超えると所得税が課される現状の税制を見直すことを最重視している。具体的には、現在の非課税枠である、基礎控除(48万円)と給与収入の額に応じた給与所得控除(最低55万円)の計103万円を、178万円まで引き上げるよう主張している。

 政府・与党は、「103万円の壁」がパートらの就労意欲を奪う心理的障壁になっているとみて、見直しを検討する。手取り増による消費喚起が経済活性化につながるほか、労働時間が増えれば、人手不足の解消にもつながるとみている。

 今後の課題は、178万円まで引き上げた場合に想定される巨額の税収減だ。政府は、国と地方で約7兆~8兆円の減と試算しており、政府・与党は税収減を抑えるために引き上げ幅を縮小できないかどうか国民と協議する予定だ。

 国民の主張通りに引き上げた場合、高所得者の減税額が大きくなるという批判も出ている。政府・与党内では、引き上げの対象者を低所得者に限定する案なども浮上しており、国民の理解を得ながら議論を進める考えだ。

 自民党の小野寺政調会長は5日の党役員会で、「選挙前の政策決定プロセスとは異なる形を作りあげていかなければならない」と述べ、党内の理解を求めた。これに先立ち小野寺氏は、国民の浜口政調会長と国会内で会談し、週内にも政策協議を始めることで合意した。

 「103万円の壁」の見直しのほか、ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除などの減税対策についても、両党の税制調査会長も含めて協議を進める。公明の岡本政調会長と浜口氏も5日、国会内で会談し、協議開始で合意した。

 一方、自民、国民両党は、特別国会が召集される11日に石破首相(自民総裁)と玉木代表の党首会談を行うことを決めた。首相はこのほか、9日に公明、10日に日本維新の会、11日に立憲民主党と個別に党首会談を行う。

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