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トランプ氏とハリス氏の公約比較、外交や経済政策で大きな隔たり…「米国第一」主義なら負担増も

読売新聞 / 2024年11月6日 15時0分

 【ワシントン=向井ゆう子、田中宏幸】米大統領選では、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領が外交や経済、内政の諸課題について主張を展開したが、大きな隔たりが目立った。

ウクライナやガザへの対応で差異…外交

 外交では、ハリス氏が自由や民主主義などの価値観や国際協調を重視するバイデン政権の方針を踏襲する考えを示す。一方、「米国第一」を掲げるトランプ氏は、米国による防衛への見返りとして北大西洋条約機構(NATO)など同盟国に負担増を要求している。

 最も違いが目立つのが、ロシアの侵略が続くウクライナへの支援に関する主張だ。ハリス氏はウクライナ支援の継続を明言したが、米国のウクライナ支援を批判するトランプ氏は否定的だ。トランプ氏は、ロシアのプーチン大統領との首脳外交による終戦の仲介に自信を示し、当選すれば「24時間以内に実現する」と根拠なく主張している。

 パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘については、ハリス氏がイスラエルの自衛権を認める一方でパレスチナ人への同情を示し、イスラエルとパレスチナが共存する「2国家解決」を支持している。共和党はイスラエルの軍事行動を支持し、トランプ氏は自らがイスラエルの「守護者」だと主張する。

ハリス氏は生活支援、トランプ氏は経済成長優先…経済

 有権者が特に重視する経済政策では、ハリス氏が中間層に焦点を当てた生活支援策を多く掲げ、富豪のトランプ氏との違いを打ち出している。初めての住宅購入者に頭金支援として最大2万5000ドル(約380万円)を支給し、生後1年以内の子どもがいる家庭を対象に最大6000ドル(約90万円)の税額控除を新設する。法人税率を21%から28%に引き上げ、大企業優遇の是正も図る。

 トランプ氏は、大規模な減税や規制緩和などで米国経済の成長を優先させる方針だ。前政権時に導入した個人所得税などの「トランプ減税」を恒久化し、法人税率を現行の21%からさらに引き下げて15%にすると主張する。安価な海外製品の流入から国内製造業を保護するため、広範囲にわたる関税の引き上げも打ち出している。

対中国、両党とも厳しい立場

 米国と覇権を争う中国に対しては、民主、共和両党とも厳しい立場を崩していない。ハリス氏は、宇宙や人工知能(AI)などの分野で、「中国ではなく米国が21世紀の競争に勝つ」と強調した。

 共和党も綱領で「力による平和」を主張し、米軍を近代化することで中国に対抗するとしている。中国への「最恵国待遇」を取り消す方針も示した。トランプ氏は、中国製品への60%超の関税に言及した。

不法移民問題、人工妊娠中絶

 不法移民問題では、トランプ氏がバイデン政権でこの問題を担当したハリス氏の責任を追及してきた。トランプ氏は、就任初日にメキシコとの国境を封鎖し、不法移民を強制送還する方針を示す。

 人工妊娠中絶問題では、共和党が規制強化を主張するのに対し、ハリス氏は中絶や生殖に関わる権利を擁護する立場だ。

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