初の女性リーダーか4年ぶりの復権か、全米が注視…暴動や混乱警戒し警備態勢を強化
読売新聞 / 2024年11月6日 13時50分
初の女性リーダーか、4年ぶりの復権か――。世界が注視する米大統領選は5日夜に開票が始まり、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領(60)と共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)による大接戦の行方を支持者たちが
激戦州のペンシルベニア州フィラデルフィアのイベント会場では、ハリス氏の支持者ら約100人が大型のスクリーンを前にビールを飲みながら、開票速報にくぎ付けとなっていた。
最近の世論調査では、激戦7州でハリス氏が巻き返し、史上まれにみる接戦となっている。トランプ氏が優勢な州について報じられると、支持者らは首を振って落胆し、「開票は始まったばかりだ」と気勢を上げた。イベントを主催した政治団体幹部カイエル・ハマハンさん(34)は「ハリス氏は若い有権者が求めていることを理解している。この国を前進させるのはハリス氏だ」と語った。
トランプ氏は大勢が判明した後、フロリダ州パームビーチの自身の邸宅「マール・ア・ラーゴ」に近い会議場に姿を見せる予定だ。邸宅の近くでは、約20人の支持者が星条旗を掲げて開票状況を見守った。クリスチャン・メディーナさん(23)は「トランプ氏が大統領なら、ウクライナはロシアから侵略されなかったはずだ。トランプ氏が勝つはずで、そうならなかったら調査が必要だ」と興奮気味に語った。
5日は東部各州から開票が進み、西部各州で投票が続いた。アリゾナ州フェニックスでは締め切りが迫る中、100人近くが列をなした。トランプ氏に投票したデビッド・ロマノさん(36)は「バイデン・ハリス政権の4年間は物価高騰に苦しんだ。人々の生活を良くする有能な大統領が必要だ」と語った。
激戦州の開票所では、暴動や混乱を警戒し、警備態勢が強化された。
フィラデルフィア郊外の郵便投票の開票所では、郵便物を開け、用紙をスキャナーで取り込むなど、作業を九つに細分化し、警察官や警備員らが作業を見守った。リサ・ディーリー選挙管理副委員長は「円滑に、間違えないようにするため、最新機器を導入した。不正が疑われる要素は全て排除した」と語った。
前回2020年の大統領選では、敗北が決まったトランプ氏の支持者らが不正を疑って反発し、ワシントンの連邦議会を占拠する事件が起きた。同様にトランプ氏の支持者が押しかける事態となったアリゾナ州マリコパ郡の開票センターには今回、二重のフェンスが設置された。
報道関係者約650人が注目する中で、郵便投票用紙を仕分ける作業が進められ、選挙管理責任者のビル・ゲイツ氏は「設備や警備に多額の投資をしてきた。全てがスムーズに進んでいる」と安心した様子を見せた。(ペンシルベニア州フィラデルフィア 金子靖志、フロリダ州パームビーチ 阿部真司、アリゾナ州フェニックス 後藤香代)
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