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下剋上導き正力賞、絆の番長・DeNA三浦監督「俺が何したかな」

読売新聞 / 2024年11月8日 7時59分

ソフトバンクとの日本シリーズ第6戦、5回の大量得点に喜ぶDeNAの三浦監督=秋月正樹撮影

 プロ野球界で最も栄誉ある正力松太郎賞(読売新聞社制定)に、DeNAの三浦監督が選出された。セ・リーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズでも劣勢をはね返して日本一をたぐり寄せた巧みな手腕が評価された。特別賞は、移籍1年目の米大リーグ・ドジャースで、前人未到の「50本塁打、50盗塁」を達成し、ワールドシリーズ制覇も成し遂げた大谷に贈られる。

自主性育み戦力強化

 三浦監督は試合に勝った後の光景をうれしそうに語る。「はしゃぎっぷりが、いい雰囲気。みんな笑顔でね」。選手をハイタッチで迎える列はベンチ裏まで続き、裏方さんも含めてチーム全員が喜びを分かち合う。「強みは一体感」と誇らしげだ。

 今回の正力賞にも、「選手、コーチ、スタッフが一丸となり受賞できた」とコメントした。それぞれが自立して、責任を果たしたからこそ、強く結束した。

 日本シリーズは本拠地2連敗スタート。ソフトバンクに力負けし、窮地に立たされたが、今季主将に就任した牧が選手を集めて、鼓舞した。三浦監督は、選手たちから自発的にこうした動きが出たことを喜んだ。

 試合前練習ではあちこち動き回り、選手やコーチ、スタッフとコミュニケーションを図るものの、自らが直接指導する姿はほとんど見られない。コーチに多くを任せている。「色々任せているのは、責任を持ってやってもらいたい、やりがいを持ってもらいたいから。『監督がいるから』というのでは、チームとして絶対強くなれない」と強調する。

 楽天からトレードで加入した森原を抑えとして一本立ちさせた。現役ドラフトを経てロッテから移籍した佐々木や、それぞれオリックス、巨人を戦力外となった中川颯、堀岡といった投手に活躍の場を与え、再生させた実績もある。「俺、何したかな」と謙遜するが、人柄とリーダーシップで各自の持ち味を引き出し、チームを束ねたのはまさしく三浦監督だ。(林宏和)

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