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18年前の小4女児刺傷事件、殺人未遂容疑で逮捕の男は殺意を否認…兵庫県警は半年前から任意聴取

読売新聞 / 2024年11月8日 5時0分

たつの署に入る勝田州彦容疑者(7日午前、兵庫県たつの市で)=近藤誠撮影

 兵庫県たつの市で2006年、9歳だった小学4年の女児が刺されて重傷を負った事件で、県警は7日、別の女児殺害事件で服役中の無職勝田州彦くにひこ容疑者(45)を殺人未遂容疑で逮捕した。調べに「女の子を刺したことに間違いない。(被害者に)申し訳ないと思っています」と述べる一方、「殺すつもりではなかった」と殺意は否認しているという。

 また、同県加古川市で07年に小学2年の女児(当時7歳)が刺殺された事件についても逮捕前の任意聴取で関与を認め、経緯や手口を詳しく説明。ただ物証などが少なく、過去の事件で供述を変遷させた経緯もあることから、県警は慎重に関連を調べる。

 発表では、勝田容疑者は06年9月28日午後6時20分頃、たつの市新宮町の路上で塾から帰宅中だった小学4年の女児の胸部などを刃物で数回刺し、全治2か月の重傷を負わせた疑い。捜査関係者によると、勝田容疑者は任意聴取で「女の子を物色していた」という趣旨の供述をしたといい、県警は女児と面識はなかったとみている。

 勝田容疑者は、04年に岡山県津山市の住宅で小学3年の女児(当時9歳)を刺殺したとして18年に殺人容疑で逮捕され、昨年9月に無期懲役判決が確定した。

 勝田容疑者が06年当時、加古川市に住み、津山市の事件と手口が似ていることなどから、兵庫県警は今年5月から任意聴取を始めた。県警は、刺した体の部位や刃物の向き、事件前後の行動などに関する説明は女児の傷口や現場の状況と整合しているなどと判断し、逮捕に踏み切った。

女児らを刃物で…手口に共通点

 勝田容疑者は過去に女児らを狙った事件で有罪判決を受けてきた。たつの市の事件や加古川市の事件などは刃物で襲う手口に共通点があり、兵庫県警が捜査している。

 勝田容疑者は15年5月、同県姫路市の路上で女子中学生の腹部などを刃物で刺したとして殺人未遂容疑で逮捕された。16年に神戸地裁姫路支部で「特異な性癖に基づく通り魔事件」と認定され、大阪高裁で懲役10年の実刑が確定した。

 岡山県津山市の女児も腹部や胸部を刃物で刺されており、岡山地裁の裁判員裁判判決は「女の子の苦しむ顔を見たいと考え、抵抗されたことから刃物で刺した」と指摘していた。

容疑者の逮捕に付近住民は安堵

 事件の発生から18年。容疑者が逮捕され、現場付近の住民からは安堵あんどの声が上がった。

 近くに住む男性(68)は「未解決のまま事件が風化してしまうのではと心配していたので、捜査に進展があり、一安心している」と話した。別の女性(81)は「警察官が毎年のように訪れ、『まだ解決していないのか』と不安に感じていた。捜査で真相を明らかにしてほしい」と願った。

 一方、勝田容疑者は幼少期から兵庫県加古川市で家族と暮らしていたという。小中学生時代を知る近所の女性は「ニコニコして、おとなしい少年というイメージだった。事件を起こすようには見えなかったのに」と語った。

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