自民衆院選大敗、両院議員懇談会で「2000万円問題」など批判…一方で即時の辞任要求はほとんどなし
読売新聞 / 2024年11月8日 7時16分
自民党は7日、衆院選を総括するための両院議員懇談会を党本部で開いた。選挙での大敗について、出席者からは党執行部への批判や不満の声が相次いだ。即時の辞任要求はほとんどなかったものの、石破首相(自民総裁)は顕在化した党内不和を抱えながら政権運営に取り組むこととなる。
「選挙結果を厳粛、謙虚に受け止めなければならない。多くの同志を失い、痛恨の極みだ」
首相は懇談会の冒頭、党所属の国会議員ら約200人を前にこう述べると、「私に至らないところが多々あった。本当に深く反省し、おわびをしなければならない」と言って頭を下げた。
隣に座った森山幹事長も続いてマイクを握り、「良い結果を出せず、強く責任を感じている」と陳謝した。
懇談会はその後、非公開で予定より長い約3時間にわたって行われた。首相はメモをしながら約50人の発言に耳を傾けた。
出席者によると、発言の多くは大敗の責任を問うもので、西田昌司参院議員は「(来年夏の)参院選に向けて党の体制の刷新をしないと戦えない」と不満をあらわにした。敗因の分析や検証を求める声も相次ぎ、落選議員の意見を聞くべきだとの意見も出た。
特に不満が集中したのは、非公認候補が代表を務める党支部に公認候補と同額の2000万円が支給された問題だ。選挙戦最終盤に明らかになったことで大敗の流れを決定づけたとの見方が根強く、柴山昌彦・元文部科学相は「いかに世論からかけ離れているか、しっかり受け止めてもらいたい」と検証を要請した。
もっとも、懇談会で首相に早期の辞任を求めたのは、青山繁晴参院議員にとどまった。「まずは一致団結をしてこの難局を乗り切るべきだ」(船田元・衆院議員)との声も出た。非公認で当選した平沢勝栄・元復興相は終了後、記者団に「辞めるだけが責任の取り方ではない」と述べた。
首相退陣論が広がらない背景には、衆院で少数与党となっているため、首相を代えても展望が開けないという事情がある。森山氏ら党幹部についても同様で、「わざわざ火中の栗を拾う人はいない」(政府関係者)状況だ。党ベテランは「党内抗争になれば野党の思うツボだ」と解説する。
ただ、総裁選で首相と争った高市早苗・前経済安全保障相は懇談会に姿を見せなかった。党内に「石破降ろし」に向けた火種を抱えながら、首相は11日召集の特別国会で行われる首相指名選挙で、2度目の選出を目指す構えだ。
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