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創業99年で昨年閉店、老舗店のカレー復活…地元飲食店が「思い出の味」をキッチンカーで運ぶ

読売新聞 / 2024年11月11日 6時51分

キッチンカーの前で客と語り合う井上かず子さん(左)=10月31日、群馬県富岡市で

 1925年(大正14年)にオープンし、昨年9月に店を閉めた群馬県富岡市富岡の和洋レストラン「新洋亭」で看板メニューだったカレーが復活した。閉店から1年余りたった10月末、思い出の味を地元の飲食店が継承し、キッチンカーで販売を始めた。月1回ほどのペースで出店し、売り上げの一部は市内の子ども食堂に寄付する。

 100年近く続いた新洋亭は、カツ丼やカレーが名物だった。3代目の井上邦男さんと妻かず子さん(75)で切り盛りしていたが、邦男さんが体調を崩して閉店。今年9月、邦男さんは75歳で亡くなった。

 カレーはラードを使い、大ぶりの豚肉とタマネギが入ったピリ辛で、懐かしむ声が絶えなかった。客から復活を打診された地元のイタリア料理店「イル・ピーノ」店主の馬場俊人さん(51)が「店での提供は難しいが、将来、誰かが味を引き継いでくれたら」とキッチンカーでの販売を決めた。

 かず子さんが邦男さんから聞き取りメモしていた作り方を基に、今年夏から試作を重ねた。カレー作りを手伝っていた井上さん夫妻の三女純子さん(46)やイル・ピーノの店員らも協力。かず子さんのお墨付きをもらった。

 10月31日に同市役所前でキッチンカーを出すと、昔の常連客などから事前注文があった約100食を含め、計180食が売れた。かず子さんも駆けつけ、客から「久しぶりに食べられて良かった」と声を掛けられ、目頭を熱くした。

 邦男さんは生前、カレーを再現する話を聞くと、「好きにすればいい」とぶっきらぼうに答えたという。馬場さんらの考えで、売り上げの一部を寄付することになり、かず子さんは「頑固だが、サービス精神旺盛な人だった夫も、きっと喜んでいるはず」と話した。

 キッチンカーでは今後、カレー800円、カツカレー1100円(いずれも税込み)で1日計約100食を販売していく予定。出店日などはイル・ピーノ(0274・63・0633)へ。

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