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第2次石破内閣 不安定な政権はいつまで続く

読売新聞 / 2024年11月12日 5時0分

 衆院選で惨敗したにもかかわらず、何事もなかったかのように第2次石破内閣が発足した。

 国民の代表で国権の最高機関である国会の決定は尊重されなければならないが、憲政の常道に反するような無理押しの体制では、国政の混乱が長期化しかねない。

 石破首相が衆参両院で行われた首相指名選挙を経て、引き続き政権を担うことになった。

 衆院の1回目の投票では誰も過半数を得られず、石破氏と、立憲民主党の野田代表の上位2人による決選投票となった。国民民主党などが決選でも党首名で投票した結果、それらが無効票となって、石破氏の選出となった。

 首相は国民民主に協力してもらい、政権を維持しようとしている。だが、国民民主は自らの主張が通れば賛成するだけで、政権運営全体に責任を負うわけではない。政策の根拠となる財源の確保は、与党任せにしようとしている。

 こうした権力基盤が脆弱ぜいじゃくな政権の下、国民に負担を求める施策を前進させることができるのか。

 政府は安全保障環境の悪化を踏まえ、防衛予算を段階的に増額しているが、その財源となる所得税などの増税時期はいまだに決まっていない。少子化対策のための、医療保険に上乗せして徴収する支援金の具体化もこれからだ。

 国会運営も厳しさを増しそうだ。衆院選の結果、衆院に17ある常任委員会のうち、野党の委員長は2人から7人へと増えた。

 立民は、国会審議の花形とされる予算委員長のほか、法務委員長などを確保した。野田氏は選択的夫婦別姓の実現にこだわっており、法務委員会で関連法案を審議、採決を急ぐ狙いのようだ。

 社会に大きな影響を与えかねない選択的夫婦別姓については、拙速な議論を避けねばならない。

 近年は首脳外交の重みが増しているが、国益がぶつかり合う交渉の場では、基盤の弱い首相が強く出るのは難しい。

 米大統領に返り咲くことになったトランプ氏が、一層の防衛負担を求めてくる可能性がある。中国も、石破政権の足元を見透かしているに違いない。

 首相が筋の通らない要求をのまされたり、外交的な揺さぶりにさらされたりしているようでは、国益を損なう。

 政治を安定させるには、自民党は公明党に加え、国民民主と正式な連立を組む必要がある。そのためには、首相自らが進退にけじめをつけることが欠かせない。

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