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名古屋市長選挙、河村たかし前市長の後継vs知事と与野党推薦候補で「代理戦争のような構図だ」

読売新聞 / 2024年11月12日 9時23分

名古屋市長選での政党の推薦状況

 過去最多に並ぶ7人の新人が立候補した10日告示の名古屋市長選。衆院選への出馬に伴い自動失職した河村たかし前市長の後継・広沢一郎氏に対して、与野党が推薦し、大村秀章・愛知県知事も推す大塚耕平氏、共産推薦の尾形慶子氏らが新市長に名乗りを上げた。

 「(大塚氏には)ほぼ全政治勢力が乗っかっている。四面楚歌そかだが絶対に負けないと信じている」。広沢氏は10日、名古屋駅前の街頭でそう力を込めた。

 河村氏は日本保守党から衆院選への出馬を表明した先月1日、後継を広沢氏と発表した。同党から広沢氏の衆院選出馬を打診されたが、「それだけはできん」(河村氏)と断った。

 河村氏は前回の市長選では約5万票差まで迫られたものの勝利し、衆院選でも圧勝。ただ、今回の市長選で、党派を超えた河村氏への支持がそのまま広沢氏に移るのかは読めない。広沢氏の陣営は「(両者が)100%リンクできる選挙戦にしないといけない」と意気込む。

 「市政の様々な課題を議会や関係者の皆さんと議論して適切な解決策を見いだす」。大塚氏は10日、栄の出発式で支援者を前に声をからした。

 昨年6月、「十分に準備をして責任を持った主張をしたい」といち早く市長選への立候補を表明。ただ、河村氏の国政進出で半年ほど前倒しとなった影響もあり、与野党の推薦がすべて固まったのは告示3日前だった。河村氏が看板に掲げ、広沢氏も受け継ぐと表明した政策には「効果を検証し判断する」「審議会に委ねる」などと慎重な姿勢を示す。

 「街頭活動で(河村氏の)後継者と言われることもある」といい、陣営幹部は「幅広い政党、各種団体と連携・協力して支持を広げていく」と話す。

 河村氏と大村氏は論戦を交わしてきた関係だけに、「代理戦争のような構図だ」と指摘する関係者もいる。

 前回、「反河村」候補者集約のため、直前で立候補を取りやめた尾形氏は「『河村減税』は市民に恩恵が少ない」と、河村氏主導の市民税減税などの中止を訴え、刷新を鮮明にする。

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