コカインなど違法薬物を譲り受けた疑い、オリンパス元社長を書類送検…譲り渡した男が同社に手紙

オリンパス社長兼ＣＥＯのシュテファン・カウフマン氏（２０２３年８月１０日）

　コカインなどの違法薬物を譲り受けたとして、警視庁は１２日、オリンパスの元社長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）シュテファン・カウフマン容疑者（５６）を麻薬特例法違反（規制薬物としての譲り受け）容疑で東京地検に書類送検した。

　捜査関係者によると、カウフマン容疑者は２０２２年９月～今年２月頃、都内で複数回にわたり、コカインと合成麻薬「ＭＤＭＡ」とみられる違法薬物を譲り受けた疑い。容疑を認めている。警視庁は今月７日、カウフマン容疑者に違法薬物を譲り渡したとして、自称カメラマンの男（４４）を同法違反容疑で逮捕。０・１～０・２グラムのコカインとＭＤＭＡ１錠を渡す取引を、何度も繰り返していたとみて調べていた。

　警視庁は４月に匿名の情報提供を受け、６月に両容疑者宅を捜索。男は覚醒剤取締法違反（所持）容疑で現行犯逮捕され、東京地裁で有罪判決を受けた。

　捜索では、カウフマン容疑者宅から違法薬物は見つからなかったが、男が９月、取引を明かす手紙を同社に送付。同社から相談を受けた警視庁が改めてカウフマン容疑者から任意で事情を聞いたところ、薬物購入を認めたという。

　カウフマン容疑者はドイツ出身で、０３年に欧州にあるオリンパスのグループ会社に入社。取締役を経て、２３年４月に社長兼ＣＥＯに就いたが、薬物疑惑を受け、先月２８日に辞任していた。

　同社は１２日、取材に「捜査中のため、コメントは差し控える。捜査には引き続き協力していく」とした。