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「ナガマツ」ペアが最後の公式戦で勝利、試合後には熱い抱擁…監督「選んだ道で引き続き頑張って」

読売新聞 / 2024年11月12日 16時51分

ペアとして最後の試合に臨む松本選手(左)と永原選手(10日、秋田市で)

 社会人バドミントンの最高峰リーグ「S/Jリーグ」の秋田大会が10日、秋田市の秋田県立体育館で行われた。ペア解消を発表していた永原和可那選手(28)と松本麻佑選手(29)(ともに北都銀行)の「ナガマツ」ペアが最後の公式戦に臨み、有終の美を飾った。(橋立大駿)

 永原、松本両選手は、北都銀に入行した2014年からペアを組んできた。18年、19年に世界選手権で2連覇を果たし、東京、パリと2大会連続で五輪にも出場した。松本選手は10日を最後に北都銀を離れ、実業団女子バドミントンチーム「ほねごり相模原」(相模原市)で現役を続ける。永原選手は来年3月で現役を引退する。

 同リーグは、男女各12チームが2ブロックに分かれ、ダブルス2試合とシングルス1試合で行う団体戦で、この日、北都銀は岐阜Bluvicと対戦した。

 ナガマツは1試合目のダブルスで登場し、第1ゲームは一進一退の攻防からリズムをつかみ、21―14で先取。第2ゲームは序盤から主導権を握り、21―12とストレート勝ち。北都銀はシングルスで落としたが、その後のダブルスで取り返し、2勝1敗で勝利した。

 試合中、2人は互いの名前を呼びながら「来るよ」などと声をかけ合い、息の合ったプレーを披露。試合が終わり、涙をぬぐう姿も見られたが、観客に笑顔で手を振った後、熱い抱擁を交わした。会場には2人の最後の姿を見ようと約2850人の観客が集まり、盛大な拍手を送った。

 試合後、永原選手は報道陣の取材に、「私のバドミントン人生は松本がいなければ成り立っていない。チームとしても勝って終わることができて、幸せな気持ちでいっぱい」と笑顔。松本選手は「最後に勝ち姿を見せられて本当に良かった。ナガマツは永原と松本じゃないと成立しなかった」と締めくくった。

 ナガマツペアを指導してきた北都銀バドミントン部の佐々木翔監督は「これからの人生は、本人たちが選んだ道で引き続き頑張ってほしい」とエールを送った。

 試合を見届けた松本選手の母、美代子さん(60)は「長い間よく2人でやってくれた。秋田の人が応援してくれて、プレーも精神面もナガマツは強くなった」と語った。

 シャトルを模した手製の人形を持ち込んで応援した由利本荘市の主婦(70)は「娘が嫁いでいくような感じで寂しいが、これからも頑張ってほしい」と話した。2人を長年応援してきた秋田市のパート従業員の女性(59)は「試合終了が近づくにつれて寂しさが増していった。最後に良い試合が見られて幸せだ」と目を細めた。

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