能登地震で離ればなれ、愛犬と9か月ぶり再会…仮設住宅で「また一緒に生活できる」と喜ぶ
読売新聞 / 2024年11月12日 14時0分
石川県珠洲市でスナックを経営する高枝岳人さん(57)は先月、元日の能登半島地震で離ればなれになっていた愛犬の柴犬「ケンシロウ」と9か月ぶりに再会した。避難先ではペットと一緒に暮らせず、県外のNPO法人などに預けていた。市内の仮設住宅に入った高枝さんは「また一緒に生活できる」と喜びをかみしめている。(珠洲通信部 成島翼)
10月15日、NPOの職員に連れられたケンシロウを見た高枝さんはドキドキしていた。「俺のこと忘れてないだろうな」。でも、避難中に5歳になったケンシロウは高枝さんを見つけると、尻尾をぶんぶんと振りながら駆け寄り、顔を高枝さんの体にくっつけて離れなかった。「ちょっと痩せたかな」と、高枝さんは顔をほころばせた。
高枝さんは津波で店舗兼自宅が泥水にまみれ、母親(79)やケンシロウらと近くの福祉施設に避難した。約2週間後、約100キロ離れた内灘町のみなし仮設住宅へ移ることになったが、ペットと同居できず、被災地支援に入っていたNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(本部・広島県)にケンシロウを苦渋の思いで預けた。
ケンシロウは、同NPOの活動に協力する浜松市の会社員北林由佳さん(43)宅で世話されることになった。人懐っこい性格で、すぐそばで人が面倒を見た方が良いと判断されたためだ。北林さんの9歳の愛犬メリーとも打ち解け、一緒に昼寝したり、エサを食べたり。北林さんは「寂しいけど、いつか珠洲に会いに行きたい」と話した。
高枝さんは年内のスナック再開に向け、準備を続けている。ケンシロウは常連客の人気者。「ケンが帰ってきてから毎日にぎやかで笑顔が増えた。店にも活気を生んでくれよ」。高枝さんはそう言ってケンシロウをなでた。
珠洲の避難所「同居可」1か所だけ
ペットとの避難を巡っては、東日本大震災など過去の災害でも避難所に連れて行けず、車中泊をしたり、飼い主とはぐれたペットが
環境省は2013年、ペットと一緒に避難する「同行避難」を基本とする指針を作成。避難所の一角に飼育スペースを設けることや、テントを設置してペットを飼うことなどを提案した。指針は16年の熊本地震で活用され、18年に改定された。
しかし、珠洲市などによると、市内の避難所45か所(1月29日現在)のうち、敷地の一角に限ってペットの飼育を認めたケースはいくつかあったが、屋内での「同居」を認めたのは1か所だけだという。
環境省は能登半島地震の避難所の状況などを調査し、来年度中に指針を改定するとしている。
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