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全国の鈴木さん、「発祥の地」和歌山・海南市に集え…「サミット」ライバルの佐藤さん招き討論会も

読売新聞 / 2024年11月12日 15時30分

鈴木サミットの会場の一つとなる鈴木屋敷(和歌山県海南市で)

 全国で2番目に多い「鈴木姓」発祥の地の一つとされる和歌山県海南市で今月17日、全国の鈴木さんが集う「鈴木サミット」が11年ぶりに開催される。1998年以降、各地で7回開かれ、しばらく途絶えていたが、宗家ゆかりの「鈴木屋敷」が昨年、市内で復元されたのがきっかけだ。交流の幅を広げようと、ライバル「佐藤姓」の関係者を招く討論会も開かれる。(和歌山支局 丹下巨樹)

聖地復元

 鈴木姓のルーツは平安時代末期、熊野地方の神官だった一族が海南市の藤白神社近くに移住したことにさかのぼると伝わる。一族が「鈴木」を名乗った理由については、祭礼で使う稲穂を「ススキ」と呼んでいたためなど諸説あり、全国に熊野信仰と稲作を広める過程で鈴木姓も増えていったという。

 第1回鈴木サミット(1998年)は、源義経の重臣、鈴木三郎重家が奥州平泉から落ち延びて土着したとされる秋田県羽後町で開かれた。翌年以降は海南市や石川県鳥越村(現・白山市)など鈴木姓にゆかりの各地で開催し、全国に散らばる分家や姓に関心がある人たちが交流してきた。

 最後の第7回サミット(2013年)は海南市で開催。藤白神社の敷地内にあり、当主の死去後は荒廃していた「鈴木屋敷」の復元を目指そうと呼びかけた。

 その後、商工会議所や藤白神社の関係者らが寄付集めに取り組み、約8700万円を確保。昨年3月に復元を果たし、昨年度は観光客ら約5000人が訪れた。「ありふれた名前だと思っていたけど、歴史を知って自分の名字を誇りに思う」。そんな感想を寄せた「鈴木さん」もいたという。

ライバル

 地元に「鈴木さん」は少ないが、復元を機にサミット再開の機運が盛り上がり、有志による実行委員会が地域振興も目指してイベントの中身を練ってきた。新機軸は「ライバル」との交流で、「佐藤姓発祥の地」を観光資源にしようと取り組む栃木県佐野市の「佐藤の会」のメンバーを招待する。

 佐藤の会は、帽子や印鑑に「さとう」や「10とう」の文字をデザインした「佐藤グッズ」を作ってイベント費用などを捻出するなど「鈴木さん」の一歩先を行く。討論会では、鈴木屋敷の維持費に充てる「鈴木グッズ」開発についてアイデアを出し合う。

 市内では「鈴木さん」「佐藤さん」にちなんだイベントも計画している。道の駅「海南サクアス」では、魚の「スズキ」を使ったすしや、砂糖(さとう)菓子の振る舞いもある。

 実行委員会の神出勝治委員長は「サミットを通じて鈴木姓のルーツとして、全国の人に海南を知ってもらいたい」と話している。

◆鈴木姓=政府統計などを基に名字ごとの人口を推計するIT関連会社「リクスタ」(千葉県)のサイト「名字由来net」によると、鈴木姓は約176万人。最多の佐藤姓(約181万人)に次ぎ、人口の1.4%を占める。関東・東海地方で多く、スズキの本社がある浜松市は人口の7.4%に達するが、海南市は0.2%と全国平均より少ない。

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