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単身世帯、2050年に27都道府県で4割超…高齢者の生活支える医療・介護の体制作り急務

読売新聞 / 2024年11月12日 23時42分

 国立社会保障・人口問題研究所は12日、2020年の国勢調査に基づき、50年までの世帯数の将来推計の結果を都道府県別で公表した。単身世帯の割合は、27都道府県で4割超となると予測した。65歳以上の高齢者の単身世帯は、32道府県で2割を上回る見通しだ。未婚世帯の増加や少子高齢化が要因で、医療や介護など高齢者の生活を支える体制作りが急務となる。

 全国の単身世帯は20年時点で2115万世帯(38%)で、都道府県別で4割を超えたのは、東京都(50・2%)、大阪府(41・8%)、京都府(41・2%)、福岡県(40・7%)、北海道(40・5%)の5都道府県だけだった。これに対し、50年は2330万世帯(44・3%)に増加する。地方における単身世帯の割合が高まり、4割超は27都道府県に拡大する。

 65歳以上の単身世帯で見ると、20年時点は13・2%(737万世帯)だったが、50年には20・6%(1083万世帯)まで高まる。最も高いのは高知県(27%)で、徳島県(25・3%)、愛媛県(24・9%)と続く。

 高齢の単身世帯が増えるのは、未婚率の高まりが大きな要因だ。同研究所によると、50歳までに一度も結婚しない人の割合は20年で男性28・25%、女性17・81%に上っている。同研究所の担当者は「身寄りがない高齢者が増えてくる。医療や介護など、地域での取り組みが重要になってくる」と語った。

 全国の総世帯数は人口減少を反映し、20年は5570万世帯だったが、50年には5・6%減の5260万世帯となる。1世帯当たりの平均人数は全都道府県で減少し、平均人数が2人未満は20年時点では東京都のみだが、50年は34都道府県に拡大する。

 同研究所は5年ごとに、都道府県別の将来推計を行っている。

高齢者の支援態勢の構築必要

 12日に公表された世帯数の将来推計結果では、団塊ジュニア世代が75歳以上となる2050年までに、高齢者の単身世帯が32道府県で2割を上回ることが明らかになった。高齢者が一人暮らしでも安心して暮らせる支援態勢を全国で構築することが必要だ。

 国立社会保障・人口問題研究所の担当者は、「課題は介護や医療だけではない。先を見越して対応を急がなければならない」と警鐘を鳴らす。対応が遅れれば、高齢者世帯の貧困や、犯罪に巻き込まれるなどの問題が増加する恐れがある。

 少子化対策も欠かせない。日本の出生率は低下の一途をたどり、24年の出生数は70万人を割る可能性がある。婚姻率の低下や晩婚化、晩産化などの要因が指摘されるが、政府は抜本的な対策を打てていない。将来の働き手を増やし、年金や医療などの社会保障制度の基盤を盤石なものにすることも、高齢者の生活支援に直結する。(薩川碧)

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