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スマホのセキュリティー対策、70~80代の6割「自信ない」 シニア記者が対策のコツを聞く「ゴールはない、あるのは...」

J-CASTニュース / 2024年11月12日 19時29分

スマホのセキュリティー対策、70~80代の6割「自信ない」 シニア記者が対策のコツを聞く「ゴールはない、あるのは...」

シニアはスマホのセキュリティー対策がよくわからない人が多い

スマホのセキュリティー対策をしっかり行っていないシニアが多いことが、NTTドコモのモバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年11月5日に発表した調査「ご自身のスマホセキュリティ対策、70~80代の6割が十分でない」でわかった。

自信がない70代記者が心配になり、調査担当者に対策のコツを聞くと――。

セキュリティーの基本、画面ロックする80代は3割以下

モバイル社会研究所の調査(2024年1月)は、シニア世代の60歳~84歳の男女1130人が対象。

まず、自分のスマホでどのようなセキュリティー対策を行っているかを聞くと、「何もしていない」人が60代では1割台だが、70代で3割台、80代では4割台に達し、いずれも女性のほうが多かった【図表1】。

行っている対策を細かく聞いたのが【図表2】だ。

比較的多い画面ロック(パスワード、指紋認証など)は、60代では約7割が行っているが80代では3割以下で、年代による差が大きい。特に「最新のOSにアップデートする」は80代では5%しかいなかった。

こんな状態で不安にならないのだろうか。今の対策は十分できていると思うか聞くと、70~80代の6割近くが「十分でないと実感している」と答えた【図表3】。

なぜ十分な対策ができないのか。半数のシニアが「何をどこまですれば十分なのかよくわからない」と回答。また、「定期的なパスワード変更など面倒な対策はしていない」「対策方法がわからない」などが上位に並んだ【図表4】。

スマホ操作に疎いことに加え、面倒なことを嫌う億劫さがシニアのセキュリティー対策を不十分にしているようだ。

若い世代でも、シニアより対策をしていない項目も

J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたモバイル社会研究所の水野一成さん(シニア・防災・子ども調査担当)に話を聞いた。

――対策を何もしていない人が80代で4割という結果。6割は何か対策をやっているわけですが、意外とよくやっているとみるか、あるいは非常に危険なレベルとみるか、どう考えますか。私自身、70代シニアなので心配です。

水野一成さん 4割については、2つに分けて考える必要があります。

まず、スマホを所有しながら、あまり利用していない人です。多くのスマホでは初期設定で画面ロックの設定を行います。そのため、画面ロックを設定していながらも、それとわからずに今回の調査では〇を付けなかった人もいると推察されます。

もう一方で、スマホをある程度使いながら、何も設定をしていないグループです。いずれも、何もしていないのは良い状態とは言えません。

――若い世代のセキュリティー対策と比較すると、やはり全体的にかなり低いですか。

水野一成さん 若年層(10~30代)との比較調査を昨年(2023年)1月に発表しています。特に若年層に比べて低いのは「画面ロックを利用している」「最新のOSにアップデートする」「スマホ以外で利用しているパスワード・パターン等と異なるものを利用する」でした。

しかし、若年層でも、「提供元不明アプリはダウンロードしない」「無料&有料セキュリティーアプリを利用する」「個人情報や履歴を保存せず、小まめに消す」といった項目では、むしろシニア層より低いか、同じ程度の結果でした。若年層だからといって対策が万全というわけではありません。

セキュリティー対策には何をどこまでやるか、ゴールはない

――それを聞いて少し安心しました。【図表2】の各セキュリティー対策の項目は、私もやっていないのが半分以上あります。これを全部やるのは大変ですが、この中でも絶対にやらないといけない項目はどれでしょうか。

水野一成さん セキュリティー対策は、何をどこまでやればいいのか、難しいところがあります。それぞれの利用の仕方に応じ、できる限りのことをするのをお勧めします。また、今回の結果を見ていただき、ご自身の対策を見直す機会にもしていただきたいです。

――私よりスマホを扱い慣れている妻(70代)は、画面ロックしていません。「見られて困るものはないから」と言い、私が画面ロックをしていると、「見られたら困る相手とLINEでもしているの?」と不審な目で見られます(笑)。そういう老夫婦も多いのではないでしょうか。

水野一成さん 確かに、ご自身としてはそのような認識の方もいると思います。ただ、スマホを落とした時、他人に好きなように操作されることがありますので、やはり対策はしていただいたほうがよいかと思います。

わからない時はスマホ教室に行くか、子どもに聞こう

――「最新のOSにアップデートする」ですが、頻繁にGoogleやLINEも含め、アップデートの通知がきます。しかし、いちいちパスワードを入れなくてはならず、面倒なうえ、ひょっとして個人情報を抜き取る「ニセメールではないか」という心配があります。正直にいえば、ほとんどアップデートをしたことがありません。

マイナカードの4桁の暗証番号さえ、メモにしてカードと一緒に入れているシニアも多いです。新しいパスワードを覚えるのが大変な2人暮らしのシニア夫婦は、スマホ教室に通ったほうがいいでしょうか。

水野一成さん そもそもアップデートが何のために行われるのか、分からない方もいると思います。また、不明なことに対して立ち止まる(実施しない)姿勢は、セキュリティー上、大切なことです。不安な時は、詳しいご家族やご友人に聞くことをお勧めします。

先に述べましたが、どこまでがゴールか、難しいのがセキュリティー対策。セキュリティーに不安があるシニアは、スマホの利活用にも自らブレーキをかけて、さまざまなサービスを無駄にしている調査結果が出ています。

つまり、安心・安全につながるセキュリティー対策を行うことは、スマホの積極的な利活用にもつながるのです。携帯電話会社や行政などが実施しているスマホ教室を活用することも、有効かと思います。心配な時は、ご家族やご友人、携帯会社などに相談することをお勧めします。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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