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「カスハラ」理不尽なクレームには毅然と対応、お互い感謝の気持ち忘れずに

読売新聞 / 2024年11月20日 17時35分

 顧客から従業員に対する過度のクレームや暴言などの「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が問題となっています。読売新聞朝刊の投書欄「気流」には、カスタマーハラスメントに関する投書が寄せられてきました。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「カスタマーハラスメント」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載)

従業員守るため抜本的対応を

 客などから理不尽な要求などを突きつけられる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対策が議論されつつあるように思える。私も、30年以上にわたるホテル経営の中で、これまで何度もトラブルに遭遇した。あるときは、食事の料金を巡り、激高する人に対応。その際は納得できなくても、こちらが謝り、なんとか場を収めた。

 聞くところによると、飲食店やスーパーでは、客から大声でどなられるといったことがきっかけで辞める従業員も多いという。カスハラをする人はごく一部だと思うが、人手不足に悩むサービス業では大きな問題だと考える。

 客の正当な要求には誠実に応える一方で、従業員を守るためにも、法整備など国の抜本的な対応策に期待したい。(71歳・ホテル経営=群馬県、2023年12月13日掲載)

正当な指摘には、耳傾けて

 カスハラ対策は重要だ。一方で企業や自治体側がすべてをカスハラと片付けて、顧客や住民からの正当な指摘や行動に耳を傾けず、萎縮(いしゅく)させるようなことは絶対に避けてほしい。私は店舗で従業員に品物のありかを尋ねたところ、忙しかったためか舌打ちされてしまったことがある。自治体では、ぞんざいな応対をされたこともあった。

 かつて私はそんな時、その場でやんわりと指摘していた。今はカスハラと逆に批判されても厄介なので、ものを言う時はその概要をメモにとり、担当窓口に冷静かつ具体的に改善をお願いすることにしている。(75歳・無職=富山県、2024年7月28日掲載)

もらった手紙、働く支えに

 ホテルのフロントとして働いていた9年前のこと。社会人になったばかりで、お叱りを受けることもあった。

 そんな中、お客様からお褒めの手紙をいただいた。トイレを一生懸命に清掃する私の姿に感動したという内容だった。短い言葉ではあったが、つらい時でも見てくれている人はいると心の支えになった。

 それ以来、私は飲食店やホテルなどのアンケートには積極的に答えるようにしている。感謝の気持ちが届くよう祈りながら書く。カスタマーハラスメントという言葉が話題になり、人と関わる仕事に従事する方はストレスがたまるだろう。でも味方になってくれる人は必ずいる。

 わずかでも働く人の心の支えになるよう、感謝の言葉を伝える機会がもっと広まればと願ってやまない。(31歳・保育士=東京都、2024年6月24日掲載)

担当記者から

 昨年度、カスハラが原因でうつ病などの精神疾患を発症し、労災認定された人は52人にも上りました。労働者が気持ちよく働ける職場だからこそ、良いサービスが提供できるのではないでしょうか。働く人の気持ちを考えた対応が大切です。(田渕)

 「ササる投書」を随時掲載します。次回もお楽しみに!

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