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「政治とカネ」再燃を警戒する自民…「不記載」議員、副大臣・政務官人事で起用せず

読売新聞 / 2024年11月14日 6時55分

臨時閣議に臨む(左から)村上総務相、石破首相、中谷防衛相(13日午後、首相官邸で)=川口正峰撮影

 自民党が「政治とカネ」の問題で批判の再燃を警戒し、対応を徹底している。13日の副大臣・政務官人事では、政治資金問題があった議員を起用せず、政治資金規正法の再改正などは年内に終えたい考えだ。もっとも野党は来年夏の参院選での争点化を狙っており、自民内でも幕引きは難しいとの見方は多い。

慎重姿勢

 「本人の手腕、経験などを総合的に勘案した」

 林官房長官は13日の記者会見で、副大臣26人と政務官28人の起用理由についてこう説明した。

 10月の第1次内閣発足時は衆院選を控えていたこともあり、大半が岸田内閣からの再任となった。このため、今回の人事で横滑りを除く新任は副大臣で19人、政務官で21人に上った。

 自民幹部は人選で最も考慮した点について、「『裏金議員』との批判を受ける心配があるかどうかだ」と明かした。派閥の政治資金問題の中心となった旧安倍派からは、滝波宏文・農林水産副大臣や生稲晃子・外務政務官らを入れたものの、いずれも収支報告書に不記載はなかった。

 衆院選前まで石破首相(自民党総裁)は不記載があったとしても、当選すれば要職に起用する可能性を示唆していた。有権者の審判を受けることで一定の「みそぎ」になるとの見立てからだったが、与党の大敗を受けて慎重姿勢に転じたとみられる。

 この日決まった衆院の委員長人事でも不記載があった議員はゼロだった。

対応に不満

 首相は自民への逆風を和らげるため、規正法の再改正も年内実現に向けて、調整を急ぐ考えだ。越年した場合、来年の通常国会でも不記載問題が蒸し返され、予算案審議などの障害になりかねないとの危機感が背景にある。

 さらに、首相は国会の政治倫理審査会に出席して説明責任を果たしていない自民議員に対し、出席を呼びかけている。参院側で出席していない27人が念頭にあるとみられる。

 不記載問題を巡っては、議員ら85人の不記載額計約5・8億円の扱いも焦点だ。自民は不記載相当額を国庫に納付したり、被災地に寄付したりすることも検討している。

 ただ、自民内では首相の対応に不満や懸念がくすぶっている。旧安倍派のある議員は「未来永劫えいごう、不記載議員のレッテルを貼られるのだろうか」と漏らした。一方、閣僚経験者は「どんな手を打っても、参院選で政治とカネの問題が取り上げられるのは避けられない」と指摘した。

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