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「夫婦別姓」で揺さぶりかける立憲民主、自民・公明の一部取り込み図る…衆院法務委員長ポスト獲得で議論主導

読売新聞 / 2024年11月14日 6時45分

本部長を務める立憲民主党ジェンダー平等推進本部の総会であいさつする辻元清美代表代行(13日、国会で)

 立憲民主党が、選択的夫婦別姓制度の導入に向けた議論で自民党に揺さぶりをかけている。議論の場となる衆院法務委員会の委員長ポストを獲得したことで国会での議論を主導し、導入に賛成する公明党や自民内の一部議員を取り込みたい考えだ。

 立民の辻元清美代表代行は13日、党ジェンダー平等推進本部の会合で、選択的夫婦別姓を導入する法案の早期提出を目指す考えを示し、「公明や自民の一部の人にも呼びかけて、国民運動として実現に向け進めていきたい」と意欲を示した。

 立民の野田代表は選択的夫婦別姓導入の布石として、衆院法務委員長に立民の西村智奈美衆院議員を就けた。

 委員長は委員会開催や議事進行などで大きな権限を持つ。野田氏は8日に党のX(旧ツイッター)に投稿した動画で、法務委員長ポストを「どうしても取りたかった」と説明。選択的夫婦別姓について、「野党は全部、一致・協力できると思うし、公明も多分賛成で、非常に効果的な委員会だ」と期待感を示した。

 選択的夫婦別姓を巡り、自民内では、保守派を中心に反対論が根強いものの、9月の党総裁選に立候補した小泉進次郎・前選挙対策委員長や河野太郎・元デジタル相が肯定的な姿勢を示すなど、賛否は割れている。

 公明は衆院選公約で「導入を推進」と明記しているほか、野党では国民民主党や共産党などが導入に賛成の立場だ。

 野田氏は与野党の賛成派をまとめれば、衆院で過半数を確保し、導入のための法案を可決することも可能だとみている。11日のテレビ番組では「少なくとも来年の通常国会の冒頭には(法案を)出せるよう環境整備をしたい」と語った。

 立民内には、自民に参院での法案可決、成立を迫るため、「来年度予算への賛成を交換条件とすることも可能だ」(ベテラン)との意見も出ている。

 ただ、夫婦同姓を見直すことは家族観や社会のあり方に大きな影響を与えるため、立民中堅は「丁寧な合意形成を図るべきで、与党との取引材料に利用していいテーマではない」と指摘した。

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