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「ご飯論法」神谷貴行氏、「不当に除籍・解雇」と共産党を提訴 すでに除名提訴の松竹氏とタッグ、大物弁護士も注視・応援

J-CASTニュース / 2024年11月13日 17時55分

「ご飯論法」神谷貴行氏、「不当に除籍・解雇」と共産党を提訴 すでに除名提訴の松竹氏とタッグ、大物弁護士も注視・応援

左から共産党を「除籍」された神谷貴行氏、「除名」された松竹伸幸氏

「ご飯論法」の考案者のひとりで、共産党から規約違反に問われて除籍・解雇された漫画評論家の神谷貴行氏(54)が2024年11月12日、党員・職員としての地位確認を求めて東京地裁に提訴した。除籍・解雇までにパワハラがあったなどとして、党側に約983万円の損害賠償も求めている。

神谷氏の除籍・解雇は、ベテラン党員だった松竹伸幸氏(69)が党首公選制を著書で主張したことなどが原因で除名され、それに神谷氏が異論を唱えたことが発端。松竹氏は地位確認を求めて24年3月に提訴しており、係争中だ。この日、神谷氏が開いた集会には松竹氏も姿を見せ、神谷氏は松竹氏の訴訟について「連帯するし、応援する」などと話した。

政策・政治的主張は「同じところもあり、違うところもある」

神谷氏が、党の福岡県委員会内の会議で松竹氏の除名処分への異論を唱え、その会議の決定などをブログで公開したところ、規約違反に問われて24年8月に党を除籍、解雇された。共産党の規約上、除籍と除名は党員資格がなくなるという点で共通しているが、除名は「処分」の一部だとされている。

神谷氏は提訴後に東京・霞ヶ関の司法記者クラブで記者会見を開き、続けて赤坂の貸し会議室で支援者向けの集会を開いた。松竹氏はこの集会の最前列に姿を見せた。

神谷氏によると、政策・政治的主張は松竹氏と「同じところもあり、違うところもある」。ただ、松竹氏の除名手続きには「重大な瑕疵がある」として、

「共産党はルール通り、それ(手続き)を幹部にやらせるというのは、大変大事なことだと思っており、私の裁判が目指すものと共通した、連帯したものがあると思っている。その点でも、松竹さんの裁判については連帯するし、応援するという立場だ」

などと話した。

松竹氏が集会で発言する場面はなかったが、集会の様子を「希望と元気の出る神谷集会でした」というタイトルでブログに書いている。記者のリクエストを受けて神谷氏とのツーショット撮影にも応じた。

神谷氏のような除籍は「憲法違反の重大な行為」との指摘も

松竹氏の弁護団長は平裕介弁護士が務めており、平氏は神谷氏の弁護団メンバーでもある。

弁護団メンバーではないものの、労働問題に詳しい川人博弁護士も「特別ゲスト」として集会に登壇した。川人氏は、NHK記者が過労死した問題、電通新入社員が過労自殺した問題、宝塚歌劇団の劇団員が死亡した問題などで、遺族側の代理人を務めたことでも知られている。17年には「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)で特集されたこともある。

川人氏によると、今回の裁判には(1)政党の構成員の人権問題(2)政党の専従勤務者の人権問題、の側面がある。(1)は松竹氏の訴訟と共通する論点で、神谷氏について「組織幹部によって集団的な威圧を受け、ついには結社に参加する権利を奪われて排除される」という事実があれば、違法というレベルにとどまらず、憲法13条(個人の尊重と公共の福祉)、19条(思想及び良心の自由)、21条(集会、結社及び表現の自由と通信秘密の保護)を否定する「憲法違反の重大な行為」だと指摘した。

(2)については、神谷氏の解雇が労働基準法や労働契約法といった労働法規に違反する「重要な違法行為」だとして、

「専従勤務者の権利を擁護する者として、私は注視・応援していきたい」

と話した。

共産党中央委員会広報部は、11月11日、

「神谷氏の訴状が届いているわけでもありません。したがってコメントは控えます」

とする談話を出している。

(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)

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