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不登校最多 低年齢化と長期化が心配だ

読売新聞 / 2024年11月14日 5時0分

 不登校の児童生徒が増え続けている。生活習慣が乱れ、登校に意欲が湧かない子供も多い。子供たちに何が起きているのか、しっかりと分析し、対策を講じねばならない。

 不登校の小中学生が昨年度、過去最多の34万人に上った。11年連続の増加である。理由は「学校生活にやる気が出ない」が最多の32%で、「不安・抑うつ」や「生活リズムの不調」が続いた。

 一日中家に居て、スマートフォンで動画を見たりゲームをしたりして、昼夜逆転の生活を送っているケースもある。

 学校以外での多様な学びを認めた教育機会確保法の施行で、無理をしてまで登校しなくてもいいという認識が社会に広がった。コロナ禍では休校が相次いだ。

 こうした事情が重なったためか、毎日学校に行く習慣を失い、今も生活を立て直せない子が少なくないのではないか。

 気になるのは、不登校の低年齢化と長期化だ。小学1年生は2年前から倍増している。不登校は年30日以上の欠席を指すが、「90日以上」の割合も近年、5割台で高止まりしている。

 コロナ禍により、幼稚園や保育園での集団生活を経験しないまま小学生になり、学校になじめない児童も多いとされる。一度、不登校になると、翌年度もその状態が続く傾向がある。

 様々な事情で、学校に行けない時期があるのは、やむを得ない面があろう。ただ学校生活は、多様な個性を持った他者と交流し、協調性や社会性を育んでいくために重要な場である。

 子供の生活習慣が乱れている場合は、各家庭でリズムを整えることから始めてほしい。学校側にも、集団生活に不慣れな子が登校しやすい雰囲気作りを求めたい。

 国は、クラスに溶け込めない子が校内の別の場所で学べる「校内教育支援センター」の開設を進めている。不登校の受け皿になっているフリースクールを増やすことも課題だろう。こうした対策を着実に実行していく必要がある。

 今回の調査では、小中高校でのいじめや暴力行為の件数も過去最多となった。深刻ないじめを示す「重大事態」も最多となり、暴力行為は、特に小学生で10年前の6倍となっている。

 学校が、いじめや暴力を積極的に認知する傾向が強まっているという事情もあるが、いずれも対応を誤れば、児童生徒の命に関わりかねない。兆候を見逃さず、速やかに対処することが重要だ。

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