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日米韓の共同訓練「既に制度化されたもの」…連携に否定的なトランプ氏の就任見据え、駐日米大使が強調

読売新聞 / 2024年11月14日 22時47分

米空母「ジョージ・ワシントン」で記者会見するラーム・エマニュエル米駐日大使(14日午後1時21分)=佐伯文人撮影

 中国が軍事的威圧を強め、北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させる中、日米韓3か国は共同訓練「フリーダム・エッジ」を通じ、情報連携を含む対処力を向上させたい考えだ。多国間連携に否定的なトランプ次期米大統領の就任を見据え、自衛隊と米軍、韓国軍の連携を「制度化」させ、相互運用の定着を急ぐ狙いもある。

 「(フリーダム・エッジは)これが最後ではなく、既に制度化されたものだ。日米韓の3人の首脳ではなく、3か国の戦略的な目的にひもづいて実施されている」

 共同訓練を視察した米国のラーム・エマニュエル駐日大使は14日、米原子力空母「ジョージ・ワシントン」の艦上で記者会見を開き、こう訴えた。東アジアの安全保障環境の厳しさが増す中、3か国で首脳の交代があったとしても、バイデン政権下で進んだ協力強化の流れは変わらないとの見方を強調したものだ。

 防衛省によると、今回の訓練では防空戦闘や対水上戦闘、弾道ミサイルやサイバー攻撃などに対処し、複合的な領域の能力を向上させることを目指す。情報連携を重視し、高性能レーダーを備えた自衛隊の早期警戒管制機E767や日米韓のイージス艦のほか、高度なネットワーク能力を備えるF35ステルス戦闘機が参加した。

 中国は覇権主義的な動きを加速させており、8月には中国軍機が日本の領空を初めて侵犯した。「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイルも保有している。また、ロシアとの軍事協力を進める北朝鮮は10月、過去最長の飛行時間、過去最高の高度で大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。弾道ミサイルを含めた複合的な脅威への対処は、日米韓共通の喫緊の課題だ。

 フリーダム・エッジは、2023年8月の日米韓首脳会談で実施に合意し、今回は今年6月に続いて2回目となる。23年12月には、北朝鮮のミサイル関連情報を3か国が即時共有するシステムが稼働を始めている。

 防衛省幹部は「共同訓練を通じ、3か国の連携は着実に向上している」と説明しており、3か国は現場レベルでの連携を常態化させることで、訓練の継続につなげたい考えだ。

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