トランプ氏、円満ムードの裏で…FBIや政敵への「政治的復讐」のため司法長官に信奉者起用
読売新聞 / 2024年11月14日 22時26分
【ワシントン=田島大志】米国のトランプ次期大統領は13日、バイデン大統領に円滑な政権移行を約束した。その言葉とは裏腹に、共和党内に混乱を巻き起こした人物を司法長官に起用して「報復」を示唆し、強権的な政権運営を目指す路線が鮮明になっている。
トランプ氏は2021年の退任後、初めて大統領執務室に入った。バイデン氏は4秒間握手し、「お帰りなさい」と呼びかけた。トランプ氏は会談後、「政治は厳しく、あまり良い世界ではない。でも、今日の世界は素晴らしい」とバイデン氏の潔さをたたえた。
ただ、新旧大統領による円満なムードの中での引き継ぎの演出は、長くは続かなかった。
会談直後、トランプ氏は自身を信奉する議員の代表格で保守強硬派のマット・ゲーツ下院議員の司法長官起用を発表した。自らの起訴を主導したバイデン政権の司法省を「魔女狩りだ」と批判してきたトランプ氏は声明で、「マットは省の組織的腐敗を一掃する」と強調した。
ゲーツ氏は昨年、共和党のケビン・マッカーシー前下院議長の解任を主導した攻撃的な人物だ。傘下の連邦捜査局(FBI)などに対する司法長官の強大な権限を使い、トランプ氏の政敵を追及する可能性が取りざたされている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは社説で、「ゲーツ氏は統治に興味はない。政治的
一方、13日にはAP通信の集計で、共和党が上院に続いて、下院で多数派になることが固まった。下院には政府高官や裁判官らに対する
トランプ氏は、21年の米議会占拠事件をめぐり、民主党主導の議会で2度目の弾劾訴追をされたことに対する恨みを隠していない。今後、下院共和党が調査権の行使などをちらつかせ、トランプ氏に批判的な人物をけん制する展開が予想される。
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