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竜王戦第4局、大阪・茨木は歓迎ムード一色…前夜祭に藤井竜王・佐々木八段登場で市民興奮「オーラ感じた」

読売新聞 / 2024年11月15日 6時52分

竜王戦茨木対局の開催を喜ぶ村上支部長(右から2人目)や、宮本五段(同3人目)ら(茨木市で)

 大阪府茨木市の複合施設「おにクル」で15、16日、第37期竜王戦七番勝負第4局(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)が行われる。14日には同施設で、藤井聡太竜王と佐々木勇気八段を迎えて前夜祭が開かれ、地元は歓迎ムード一色に染まった。(阪悠樹)

 両棋士はこの日午後3時40分頃、おにクルに到着。待ち受けた将棋ファンや市民らから拍手と歓声が上がった。

 到着時間や入り口は公表されておらず、市民の一人(46)は「ダメ元で来たら、本人たちが登場してびっくりした。オーラを感じた」と興奮気味。将棋教室に通っている市民(49)は、前夜祭の抽選に外れたといい、「おにクルの前で1時間待ったかいがあった」と喜んだ。

 藤井竜王が京都市での第3局を制し2勝1敗として迎える本局。午後5時30分頃から同施設で開かれた前夜祭で、読売新聞大阪本社の田中隆之社長が「シリーズ全体の流れを決定する大事な局面。全国の将棋ファンの目が、茨木市に向いている」とあいさつ。両棋士は地元の子どもたちから花束を受け取り、記念撮影に応じた。

 福岡洋一市長は、対局室がある同施設7階から、市内の山「竜王山」が見えることなど、竜王戦にちなんだエピソードを紹介。「竜王戦誘致に多くの人が汗をかいてきた。将棋をする人、見る人、支える人の三位一体でこの日を迎えられてうれしい」と述べた。

 藤井竜王は、対局室を検分した感想について「対局にぴったりの落ち着いた雰囲気」と述べ、「竜王山を見てリラックスしつつ、精いっぱい頑張りたい」と決意表明した。佐々木八段は、16日の大盤解説会が1000人以上を収容できる同施設ホールで行われることに触れ、「それだけ大きな会場で開催されることはなかなかない」と話し、「竜王戦に携わる方々に感謝します」と述べた。

 対局は15日午前9時に始まる。先手は佐々木八段。持ち時間は8時間で、勝敗が決するのは16日午後になる見込み。

積年の悲願に感無量

 茨木市で将棋のタイトル戦が開かれるのは、今回の竜王戦が初めてだ。地元の将棋ファンにとって竜王戦は積年の悲願。日本将棋連盟茨木支部の関係者たちに、実現までの道のりを聞いた。

 茨木対局誘致の原点と挙げるのが、1999年に初開催された「少年少女将棋大会」。当時の茨木には中高年の将棋クラブはあったが、子どもが集まって将棋を指す場はなかったという。

 そんな中、市内で囲碁大会が開かれたことに触発され、茨木オークライオンズクラブが同大会を企画した。予想を上回る約120人の子どもたちが参加し、現在まで続く恒例行事となった。

 同支部長の村上幸隆さん(69)は「大会が茨木の将棋文化が醸成されるきっかけになった」と振り返る。子ども向けの将棋教室が開校するなど、将棋の裾野が広がった。市出身の宮本広志五段が2014年にプロ棋士になったのを機に、大会の運営メンバーらが中心となって連盟支部を設立した。

 将棋ファンや関係者の間で、「茨木でタイトル戦を」と願う機運が徐々に高まった。21年2月、連盟支部が福岡洋一市長に誘致を打診。ちょうど、今回の会場となる「おにクル」の整備が進み、隣接する高槻市に関西将棋会館の移転が決まるなど、環境が整った。

 市民の願いを背に、茨木市は誘致活動を本格化。今年5月、茨木対局が正式に決定した。村上さんは「茨木で将棋を愛する人たちの活動が認められてうれしい」と感無量の様子。同副支部長の岡田藤男さん(74)も「立場や年代を超え、たくさんの人々と盛り上がる茨木を見たい」と開催を喜んだ。

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