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昭和の名横綱・双葉山、満州巡業の写真を寄贈・公開…前人未到の69連勝が途切れる直前の写真も

読売新聞 / 2024年11月15日 16時47分

吉林丸のデッキでくつろぐ双葉山。右上にサインがある(大分県宇佐市提供)

 前人未到の69連勝を成し遂げた昭和の名横綱、双葉山(1912~68年)が戦前、巡業で大陸に渡った際の写真が出身地・大分県宇佐市に寄贈され、市内の観光交流施設「双葉の里」で公開されている。直筆サイン入りの写真もあり、市は「双葉山の活動の過程がわかる貴重な資料だ」と評価している。(大石健一)

 双葉山は、年2場所で1場所11~13日間だった1936年1月から39年1月にかけて69連勝を達成し、記録は今も破られていない。

 写真は、37~41年、満州(現・中国東北部)巡業での7枚。四つ切りサイズなどで、市内の70歳代の男性が今年5月、市に寄贈した。男性の母親が子どもの頃、中国・大連にいたといい、その関係で撮影、入手した可能性があるという。

直筆サインも

 裏面に「吉林丸にて写す」と書かれた39年の写真は、日満連絡船のデッキに、大いちょうも結わずにもたれかかってくつろぐ珍しい表情が写されており、「双葉山定次」と直筆サインがある。

 37年撮影の大連場所での土俵入りといった力士としての雄姿や、38、39、41年に大連で開かれた大分県人会による歓迎会の集合写真にも納まっている。

 双葉山は38年8月の満州巡業でアメーバ赤痢にかかり、体重が激減。万全でない体調で翌年の1月場所に臨んだといい、4日目に安芸ノ海に敗れた。今回の写真の中には、記録が途切れる直前の写真もある。

 市によると、当時は日中戦争が始まった時期で、連戦連勝の日本軍と双葉山の連勝が重なり、人気が増した面もあったという。学芸員の資格を持つ市観光・ブランド課の弘中正芳さん(37)は「国外でも大勢の観客がいる様子も写っており、大スターだった双葉山の人気がわかる。写真の分析で大陸、満州巡業での足跡がより詳しく分かってくると思う」と期待している。来年1月31日まで。入場無料。双葉の里(0978・33・5255)へ。

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