盗難相次ぐ銅ケーブル、安価なアルミに置き換えの動き…「お金になりません!」と看板でアピール
読売新聞 / 2024年11月15日 16時16分
太陽光発電施設で使われるケーブルの素材を、銅からアルミに置き換える動きが広がっている。銅の価格高騰で銅製ケーブルの盗難被害が深刻化する中、安価なアルミにすることで、被害の防止が期待されるためだ。メーカーにはアルミ製ケーブルの注文が急増している。(甲府支局 瀬田糸織、水戸支局 椿央樹)
山梨県南アルプス市の太陽光発電施設。数万平方メートルの敷地に、アルミ製であることを示す青色のカバーに包まれたケーブルが延びる。
管理会社によると、昨年12月頃に銅製ケーブル計約1万メートルが3度にわたり盗まれ、1億円の被害が出たのを受け、ほぼすべてをアルミに換えた。入り口には「ケーブルはアルミ製です」「お金になりません!」と記した看板を、英文などを添えて掲げている。アルミ製に換えて深夜の巡回警備も始めたところ、被害に遭わなくなった。
アルミの電気伝導率は銅の6割ほどだが、ケーブルのサイズを少し太くすれば、機能に問題はないという。製造大手の「古河電気工業」(東京都)によると、太陽光発電施設からのアルミ製ケーブルの注文は2020年は数件だったが、昨年は約130件に増え、今年は8月末時点で38都道府県の約440件にのぼった。このうち8割は、銅線ケーブルの盗難被害に遭った施設からの復旧依頼だ。
電気自動車などでの需要増を背景に、銅の価格は4年前の最も低かった時期の約2倍に高騰したが、アルミ価格は銅の4分の1程度になった時もある。このため、窃盗犯がアルミ製ケーブルを売却しても利益が少なく、手を付けないとみられている。関係者によると、犯行時にケーブルがアルミ製だとわかったためか、切断された状態のまま放置された事例もあったという。
警察庁によると、太陽光発電施設の金属ケーブル盗は昨年に5361件あった。今年も上半期で4161件に達し、9割は茨城県をはじめ関東地方だった。管理会社は防犯カメラを導入するなどの対策を進めているが、人目につきにくい山間部などに立地する施設も多く、銅製ケーブルの窃盗被害は後を絶たない。
捜査関係者からは「犯人にとってアルミは銅より魅力が落ちるため、被害が抑えられる可能性が高い」との声も出ており、被害防止につながるか注目される。
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