釣り仲間４人乗ったプレジャーボートがタグボート側に接触か…山口沖で夫婦ら３人死亡

衝突事故が起きたタグボート（左）と台船（１７日午前９時頃、山口県下松市沖で）＝徳山海上保安部提供

　１７日午前５時４５分頃、山口県下松市沖の笠戸湾で、汽船会社「住吉汽船有限会社」（広島県尾道市）所有のタグボート「第３８住吉丸」（１９トン、長さ１６メートル）から「プレジャーボートと衝突した」と１１８番があった。プレジャーボート「汽船弥生」（１・６トン、同約７メートル）が沈没し、乗っていた４人のうち男女３人が死亡した。徳山海上保安部が、業務上過失致死や業務上過失往来危険の疑いで調べている。

　タグボートに衝突痕がないことから、同保安部はプレジャーボートと、タグボートが引いていた台船（長さ６０メートル）や引航用ロープがぶつかったとみている。１７日朝の現場海域の天候は曇りで、ほぼ無風。波やうねりはなかったが、夜明け前で暗かったという。

　発表では、亡くなったのはプレジャーボートの所有者で船長の自営業藤井卓弥さん（４１）と妻の枝里子さん（３９）（ともに山口県岩国市）、会社員山下智也さん（４９）（同県下松市）。藤井さん夫婦は周辺の海上で、山下さんは船内で見つかった。残る会社員男性（２８）は台船に自力で乗り移った際に手足に擦り傷を負った。４人は救命胴衣を着用していた。

　タグボートの坂本和彦船長（５１）と男性船員（３９）にけがはなかった。

　プレジャーボートの４人は釣り仲間で、１７日午前５時３０分頃に湾内の漁港を出て釣り場に向かっていた。タグボートは前日朝に香川県丸亀市を出発し、鋼材（４００トン）を載せた台船を引航しながら造船所のある湾内に入ったところ、同３５分頃に衝突事故が起きたという。