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釣り人が出品のアユ、「利き鮎」大会でグランプリ…受賞知った漁協「日本一の清流を保全したい」

読売新聞 / 2024年11月18日 8時31分

西城川を背にグランプリ証明書を手にする津川組合長(右)と山田放流委員長(広島県庄原市で)

 最も美味なアユを育む川を選ぶ全国大会で、広島県庄原市などを流れる西城川が今年のグランプリを獲得した。ただ、元々地元から大会にアユを出したわけではなく、大手釣り具メーカーが7月に同市で催した釣り大会の参加者が、同川のあまりの水質の良さとアユのおいしさに感心し、持ち帰った魚を出品。受賞対象となった西城川漁協は、グランプリの証明書が届いて初めて知った。(元永達夫)

 大会は、日本最後の清流と言われる四万十川が流れる高知県の県友釣ともづり連盟が主催する「清流めぐり利きあゆ会」で、今年25回を迎えた。参加者は産地を伏せたアユの塩焼きを食べ、姿や香り、身やはらわたの味などを審査することから「利き鮎」の名が付く。

 今回は、北海道から九州まで全国59河川から約2500匹が集まった。9月20日に高知市内であった大会では、岐阜や高知など主要産地を抑えて、西城川のアユが頂点に輝いた。

 グランプリの証明書を手に、西城川漁協の山田哲治放流委員長(73)は「この水系は良質のコケが育ち、アユからキュウリのような香りがする」と満足そう。上流に広葉樹林が広がる吾妻山などがあって水量が安定していることや、住民たちが春に河川清掃をして環境保全に努めていることも好影響を与えているとする。

 他県では漁協を挙げてグランプリを狙っている河川もあるといい、西城川漁協の津川明文組合長(69)は「優れた河川環境と、そこで育つアユの味が評価された。受賞を励みに〈日本一の清流〉を保全し、来年は漁協としてグランプリ目指して出品したい。西城川のアユを全国に知ってほしい」と意気込んでいる。

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